ウクライナ向けエイブラムスはM1A2構成、戦場への到着は来年以降になる可能性

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米国のPOLITICOは26日「ウクライナに提供するエイブラムスは旧型ではなく輸出仕様のM1A2構成になるが、戦場に到着するのは何ヶ月あるいは何年も先になる可能性がある」と報じており、台湾やポーランドの発注分を後回しにするのは難しいらしい。

ウクライナ向けM1A2の製造は絶望的な量のバックオーダーを処理した後になる可能性がある

米国のバイデン大統領はエイブラムスのウクライナ提供に関する4億ドルのパッケージを発表、さらにカービー報道官も「国防総省がエイブラムスの訓練計画を策定して開始するまで数週間はかかる」と明かしたが、このエイブラムス提供は米軍備蓄が引き出される大統領権限(PDA)ではなく、ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)を通じて行われるため「メーカーから新規にエイブラムスを購入する」という意味で「提供までに数ヶ月はかかる」と述べている。

ウクライナ向けエイブラムスはM1A2構成、戦場への到着は来年以降になる可能性

出典:Photo by Spc. Joshua Bolding

この問題について複数の米当局者は「エイブラムスの旧型(M1A1)ではなくM1A2をウクライナに送る計画だ」とPOLITICOに明かしているが、米ディフェンスメディアが予想した通り「劣化ウランを使用した複合装甲パッケージ」を取り除いた形となり、リマ戦車工場の生産能力にも制約があるため「戦場に到着するのは何ヶ月あるいは何年も先になる可能性がある、その時間を利用してウクライナ人に戦車の運用・維持やエイブラムスを作戦に組み込むための諸兵科連合戦術を教える」と報じているのが興味深い。

POLITICOによればエイブラムスのオーバーホールを行うリマ戦車工場の生産能力は月12輌(15輌という説もある)で、現在の生産ラインは台湾向けのM1A2T×108輌(2024年納入開始)とポーランド向けのM1A1/FEP×116輌(2023年納入開始)とM1A2/SEPv3×250輌(2025年納入開始)の発注で埋め尽くされており「これを後回しにしてウクライナ分を先に生産するのは難しい」と指摘。

ウクライナ向けエイブラムスはM1A2構成、戦場への到着は来年以降になる可能性

出典:U.S. Army photo by Spc. Christian Carrillo

さらにオーストラリアが契約に署名したM1A2/SEPv3×75輌と米陸軍が2023年度に発注する22輌が加わるため、ウクライナ向けM1A2の製造は「絶望的な量のバックオーダーを処理した後になる」という意味だ。

因みに国防総省のパット・ライダー准将は「これまで何度も説明してきたがエイブラムスは非常に複雑なシステムなので保守が非常に難しく、この事実は昨日も今日も変わりがなく将来もそうだ」と述べ、ガスタービンエンジンががぶ飲みする燃料問題以外にも「保守に必要な大規模インフラをウクライナ国内にどうやって構築するのか?」という兵站上の課題が軽視されていることに不満の色を隠しきれておらず、POLITICOは「バイデン政権がレオパルト2提供を推したのは上記のような課題あるからだ」と付け加えている。

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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Sgt. Charles Probst/Released

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