プーチン大統領は米国主導の新世界に反対、元大統領はロシア抜きなら世界の半分を道連れ

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プーチン大統領は露国営メディアの取材に「ロシアは米国という国の利益を追求するだけの新世界に反対している」と主張、メドヴェージェフ元大統領もイズベスチヤ紙に寄稿した中で「ロシア抜きの世界を作るなら世界の半分を道連れにする」と述べた。

ロシアの指導者が取り憑かれた「国がバラバラにされる」という妄想

露国営メディアの取材の中で訴えたプーチン大統領の主張を要約すると以下のようになる。

プーチン大統領は米国主導の新世界に反対、元大統領はロシア抜きなら世界の半分を道連れ

出典:RIA Novosti archive/CC BY-SA 3.0

ソ連崩が壊後したことで国際関係の構築、優先順位に影響を及ぼしているのは当然の結果だ。法的にロシアはソ連を継承したという意味ではなく潜在的な可能性の話で、ソ連と現在のロシアは異なる可能性を秘めている。我々はそれを理解して世界が変わるべきだということに同意しているし、国連を含む世界が変化することに反対することはない。ただロシアは新たに出現しつつある世界が米国の利益のみを追求ためだけに構築されようとしている事実に反対しているのだ。

米国はフランスから契約(オーストラリアの潜水艦契約のこと)を奪い恥をかかせたのに誰もがそれを当然のように受け入れている。米国の衛星国は「自分達の利益を侵してでも米国は自国の利己的な利益のためにしか行動しない」ということをよく知っている。米国内で生産されることを条件に寛大な補助金を与えることで同盟国の欧州企業を誘いこんでいるが、この場合における同盟国の利益とは何なのか?一体なんのために同盟を結ぶのか?

プーチン大統領は米国主導の新世界に反対、元大統領はロシア抜きなら世界の半分を道連れ

出典:President of Russia

西側諸国の共通した目標は旧ソ連の主要部分であるロシア連邦の解体だ。もし連邦が解体されればロシア国民というものは存在しなくなり、モスクワ人やウラル人といった風に存在が分割されるだろう。その上で我々を新世界のファミリーに受け入れるかもしれない。但し別々に、それぞれの部分を別々にだ。これは何のために?バラバラにした部分が再び集まらないようにようにするためで連中の支配下に置くためだ。

さらに露国営メディアの司会者が「我々に戦略的敗北を与えるとNATO主要国が宣言したが、この状況下でロシアはNATOの核戦力を考慮するのかしないのか」と尋ねると、プーチン大統領は「参加を一時的に停止したSTARTIII(米露間の戦略兵器削減条約)を前に進めるには米国だけでなく英国とフランスの核兵器も含めるべきだ」と主張し、ウクライナに武器を提供して「ロシアとの戦争に参加していない」という西側諸国のレトリックについては「ウクライナが武器の代金を支払っていないため西側諸国による一方的な提供であり、少なくとも間接的にキーウ政権の犯罪行為に加担していることになる」と述べている。

過去に滅亡しバラバラになった大国と異なりロシアは核兵器を持っている

一方、イズベスチヤ紙に寄稿した中でメドヴェージェフ元大統領が訴えた内容を要約すると以下のようになる。

プーチン大統領は米国主導の新世界に反対、元大統領はロシア抜きなら世界の半分を道連れ

出典:Associated Press/Добросовестное использование

ソ連は旧世代の人間にとって愛すべき祖国でであり美しい正義の夢だったが、(冷戦に勝利したという)西側諸国は勝者の驕りと優越感からソ連の崩壊を見下し、我が国を奈落の底へ突き落とし、かつてのライバルを完全に抹殺することにしか興味を示さなかった。対等なパートナーシップや分断線のない新世界といった美辞麗句を並べたことで気休めにしかならない。

ロシアは膨大な努力で最も困難な時期を脱し、対外債務を完済し、経済や社会の復興に取り組み、軍隊に対する尊厳を取り戻し、核抑止を維持し続け、挑発行為を回避することに務めたが、歴史というものは本当にどうしようもなく、東ローマ帝国のコンスタンティノープル、アラブ帝国のカリフ、モンゴル帝国のチンギス・カン、ナポレオンの台頭と無念の死、太陽の沈まないと称された強大な英国の植民地などの世界史を開けば同じことが書いてある。

プーチン大統領は米国主導の新世界に反対、元大統領はロシア抜きなら世界の半分を道連れ

出典:Andrew Butko/CC BY-SA 3.0 親ロシア勢力がドネツクで軍事パレードを行う様子

強大な帝国は最盛期や黄金期を経て等しく衰退し消滅に至り、この仮定で必ず戦争に発展するのが世界の法則なのだ。我々のソ連崩壊にも遅ればせながらそれが起こっただけで、大国が滅亡すると戦争が遅かれ早かれ始まるのだ。蓄積した国内の矛盾と不平不満が強すぎ、緩慢のナショナリズム、原始的な妬み、欲が生じる。周囲の国は力を失った大国を分割したいと願うもので、我々の場合は堕落した西側諸国の冷笑的な立場であった。アングロサクソン圏の文明は例外主義と想像上のメシアニズムの考えに基づいて気が狂ってしまったのだ。

このような事態を招いた原因は2つあり、1つは2008年に発生したグルジアのオセアニア人に対する侵略を西側諸国が支持したことで、2つ目は2014年に正当な住民投票でクリミアが歴史的な祖国復帰を果たしたことだ。特にクリミアは西側諸国の狂気じみたヒステリーを引き起こし、これはロシア恐怖症とウクライナという新しいフランケンシュタインを作りたいという願望によって煽られており、これがプーチン大統領が言及する反ロシアの正体である。

プーチン大統領は米国主導の新世界に反対、元大統領はロシア抜きなら世界の半分を道連れ

出典:Первый канал

現在の頭の悪い西側指導者の賢明な先人達は「神々は滅ぼそうとするものを先ず狂わせる 」という言葉を良く使用していたが、この狂気に満ちたヒステリー、我が国をバラバラにしたいという脅迫観念が最終的にウクライナに対する特別軍事作戦に繋がったのだ。

さらにメドヴェージェフ元大統領は「過去の歴史は別の事実も示しており、崩壊した大国は世界の半分は戦火で焼いてしまう。一発も撃つことなくソ連を葬り去ったのでロシアも同じように出来るという妄想を抱き、紛争に関わる何千人もの命を炉の中に放り込んでいるのだ。これは極めて危険な妄想でロシアはソ連のようにはいかない」と言及し、もしロシアの存在自体が問題になるようになれば「この問題はウクライナ戦線だけで解決されることない。ここに曖昧さがあってはならない。ロシア抜きの平和は必要ない」と述べているのが興味深い。

プーチン大統領は米国主導の新世界に反対、元大統領はロシア抜きなら世界の半分を道連れ

出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY SA 4.0

メドヴェージェフ元大統領は寄稿した中の結びで「西側諸国が交渉による問題解決を阻止するためキーウのネオナチ政権に武器を投げ込み続けているが、その狙いが大きな失敗を招こうとしていることを理解しておらず、これは全世界の人々にとっての損失、崩壊、黙示録だ。その結果、これまでの生活は何世紀にも渡って忘れさられるだろう。煙の燻る瓦礫から放射能が消えるまでだ」と主張し、こう付け加えている。

ロシアはそんなことを絶対に許さない。この願望は我々の願いだけではない。欧米諸国やその衛星国は世界人口の15%に過ぎず、我々の方が遥かに多く、遥かに強大なのだ。偉大なロシアの強さとパートナーの意思が世界全体の未来を守る鍵だと。

プーチン大統領は米国主導の新世界に反対、元大統領はロシア抜きなら世界の半分を道連れ

出典:President of Russia

因みにソ連崩壊の原因についてメドヴェージェフ元大統領は「社会主義リアリズムにしがみつき過ぎたためで、これほど早くソ連崩壊を実現させた当時の政治的指導者の動機について深入りはしない」と述べているが、細かい話を抜きぬに一言で言えば「衰退し崩壊した国や周辺国が抱える歪みを調整するため戦争に至るのは歴史的にも必然だが、過去に滅亡しバラバラになった大国と異なりロシアは核兵器を持っているので、ロシアをバラバラしてロシア抜きの世界を作ろうとするなら世界の半分を道連れにする」という意味だ。

プーチン大統領は特別軍事作戦を決断した理由の一つに「全ての国にとって平等な安全保障システムをNATOに要求したが認められなかった」と主張しているが、核兵器保有国とそうでない国の安全保障が平等であるはずがなく、自分達の主張が認められないなら「世界の半分を道連れにする」と脅すあたりがロシア人の二枚舌とも言えるものの、この問題の根本はイデオロギーの対立なので「表面な正当性」を担保する理論や理由をつついてみても意味がない。

プーチン大統領は米国主導の新世界に反対、元大統領はロシア抜きなら世界の半分を道連れ

出典:Kremlin.ru / CC BY 4.0 クリミア併合の調印式

例えば権威主義的なロシアからすれば「正当な住民投票=地域の暮らす人々の意思だとプーチン大統領が繰り返し言及」という体裁を整えてクリミアを併合したのだから問題はないと考えても、西側の価値観からすれば「個人の意思を表明できる環境が担保された住民投票とは到底認められない」と考えるので、この差を強制的に埋めるのは言葉ではなく力(もしくは強制的な譲歩)なのだろう。

力が伴わない主張は究極的に力が伴う主張に押しつぶされるのが現実で、世界は初めて「究極の力を保有する国にボタンを押させない形で引き下がらせる」というリスクの高いゲームに挑戦しており、もしロシアが核兵器を保有してなければゲームの難易度はもっと低かったはずだ。

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※アイキャッチ画像の出典:President of Russia

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