ソフトバンクは2日、来年3月に商用化する第5世代(5G)通信システムについて、7月に新潟県で開催される音楽イベント「フジロックフェスティバル」でプレサービスを提供すると発表した。携帯大手3社で初の5Gのプレサービスとなる。仮想現実(VR)空間でのライブ体験など、音楽の新しい楽しみ方を提案する。
ソフトバンクは会場内に体験コーナーを設置。利用者は専用ゴーグルを装着して、VR空間で動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信されるライブ映像を視聴する。VR空間はフジロックのライブステージを再現しており、離れた場所でもその場にいるかのような臨場感を味わえる。利用料は無料。このほか、カメラ映像の解析などで5Gネットワークを活用して、各会場の混雑情報を配信する無料専用アプリも提供する。
NTTドコモやKDDI(au)はラグビーワールドカップ(W杯)の開催に合わせ、9月にプレサービスを実施する予定。来春以降、各社のサービス競争が本格化する。
同日開催した法人事業の戦略説明会で、宮内謙社長は「3、4年で一気に5Gのネットワークが広がる」と期待を込めた。
また、ソフトバンクは同日、イオン九州(福岡市博多区)と物流の効率化を目指す業務提携を発表。午後10時以降の夜間配送を実証実験を実施する。今後は5Gの普及に合わせ、サービスの多様化に向けた企業提携を加速する方針だ。