米政府説明責任局もV-280 Valorを支持、Defiant Xは不明瞭な部分が多い

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米陸軍のUH-60後継機に関する選定結果に納得がいかないシコルスキー/ボーイングは権利を行使して抗議、これを検討した政府説明責任局(GAO)は陸軍の決定を支持、シコルスキー/ボーイングも決定を受け入れ「訴訟を起こさない」と発表した。

入札価格がV-280 Valorの半分だったとしても最終的に不明瞭な部分が多いDefiant X

米陸軍は回転翼機(AH-64/OH-58/UH-60/CH-47など)の後継機開発をバラバラに行うのではなく、センサー、アビオニクス、エンジン等のコンポーネントを共通化=ファミリー化することでコスト削減や開発期間の短縮を狙い「FVL(Future Vertical Lift:将来型垂直離着陸機計画)プログラム」を立ち上げ、UH-60の後継機プログラム=FLRAA(Future Long-Range Assault Aircraft:将来型長距離強襲機)の座をV-280 ValorとDefiant Xが争っていた。

米政府説明責任局もV-280 Valorを支持、Defiant Xは不明瞭な部分が多い

出典:Bell V-280 Valor

しかし米陸軍はFLRAAの勝者としてV-280 Valorを選択したためベル/ロッキード・マーティンがUH-60の更新需要(1対1で交換した場合の需要は約2,000機)を手に入れた格好となり、米ディフェンスメディアは「最終的にFLRAAベースの回転翼機はAH-64など約1,200機のレガシーなプラットフォームも置き換えることになる」と、米陸軍関係者も「FMS経由による海外輸出の可能性を含めたFLRAAの推定価値は700億ドル=約9.3兆円に達する」と予想している。

ただ両社が参加した競争入札は「最終決定への抗議(2週間以内)」を行う権利が保障されており、Defiant Xを提案したシコルスキー/ボーイングは権利を行使して抗議文書を政府説明責任局(GAO)に提出、同社は抗議文書の中で「陸軍が提供した情報を徹底的に検討した結果、陸軍、兵士、納税者に最高の価値を提供する我々の提案が正当に評価されなかったと信じている」と主張していたが、これを検討した政府説明責任局(GAO)は陸軍の決定を支持すると発表。

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GAOは陸軍の決定を支持する理由をまとめた38ページの報告書を今月6日に公開、この中でDefiant Xを提案したシコルスキー/ボーイングの入札価格が「44.45億ドル」で、V-280 Valorを提案したベル/ロッキード・マーティンの入札価格が「80.87億ドル」だったと明かしているが、Defiant Xはサブシステムの設計を明確に提示できなかったため「同機の設計を容認できないと陸軍は評価した」と指摘しているのが興味深い。

Defiant Xは機体の基本的な性能を実証しただけで「シコルスキー/ボーイングは陸軍に同機のサブシステムのコンポーネントがどのように機能するのか詳細を提供しなかった」と指摘、さらにDefiant Xの提案には4つの重要な脆弱性と11の脆弱性が報告され、入札価格がV-280 Valorの半分だったとしても最終的に不明瞭な部分が多いDefiant Xは「コストとスケジュールに許容できないリスクをもたらす可能性がある」という評価だ。

米政府説明責任局もV-280 Valorを支持、Defiant Xは不明瞭な部分が多い

出典:Photo by Bell Helicopter

シコルスキー/ボーイングは18日「GAOの決定に失望している。Defiant Xこそが納税者にとって最高の価値を提供し、将来の複雑な任務遂行に必要な革新的技術を提供できると信じている」と声明を発表したが、FLRAAプログラムを阻止するための訴訟は起こさないとも述べているので、UH-60後継機はV-280 Valorで確定した。

因みに欧米では競争入札の評価を入札者に提示するのが一般的で、選定過程の評価がフェアではないと思えば「抗議を行う権利=より詳細な選定理由を提示するよう要求する権利」が保障されているため、当て馬的な競争入札を行えば訴訟問題になって莫大な損失を被るリスクがある。

権利を行使したシコルスキー、V-280 Valorを選択した米陸軍の決定に抗議
米陸軍、UH-60の後継機にティルトローター機のV-280を選択

 

※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin

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