英経済紙によると、中国が日本の90年代前半のバブル期と酷似した状況に陥っているという。急速な経済成長から一転、長期の景気低迷に陥った日本と中国が同じ道をたどる可能性があると危惧されている。
中国でも不動産バブルがはじけると、爆発する“時限爆弾”が起こる可能性がある。シティグループのアナリストチームが発表した報告書によると、中国の現状が、バブル崩壊前の日本と多くの点で類似していると指摘されている。
日本と中国の共通点として、人口減少やインフラ投資と輸入の促進によるGDPの長期的な急成長などがある。世界銀行によると、2010年から2020年にかけて、中国のGDP成長率における資本形成の占める割合は43%と非常に高い水準にあった。
日本と中国は、融資の仕方にも共通点がある。日本は政府に後押しされた商業銀行が景気のよい産業に長期低利で貸し付ける間接金融によって成長した。
中国も同様に、間接金融に依存した金融システムを構築してきた。中国政府は、中央銀行である中国人民銀行のみならず、商業銀行の融資活動も操作できる。
また、日本の不動産バブルは政府による金融緩和政策によって急速に拡大し、企業は金融投機からの収益を得るようになった。同様に、中国の不動産市場は明らかなバブルと言える65兆ドルに達し、銀行の総資産の41%を不動産関係の融資と貸し付けが占めている。
シティグループは、日中と米国の関係にまで類似点を見出している。バブル期に日本経済が成長すると、技術、知財、安全保障の問題を巡って日米貿易戦争が激化した。
一方、米国は中国を意識してか、国外からの先進技術へのアクセスを制限する法整備を講じている。これらの類似点から、中国が日本と同じ道をたどる可能性があるとされる。
投資家は「中国のリスク」に注意を払うべきであるとシティグループは結論づけている。日本のバブル崩壊時には、ゾンビ企業の負債が金融機関のバランスシートを圧迫し、企業も家計も長期的なデレバレッジに突入した。低金利が続き、景気低迷が長期化した。中国が同じ道をたどる場合、投資家はそれに対して十分な注意を払う必要がある。
コメント欄の意見:
・中国のバブル崩壊における責任はすべて習主席にあるという点が日本とは違う。中国の労働力は安価ではなくなっており、海外企業は撤退した方がいいと考えている。
・急激な変化は大きな代償を伴う。国民の意識レベルが日本のバブル期と変わらない限り、国が手綱を握っても同じ運命になる可能性がある。
・日本化は金融引き締め、緊縮財政、消費税増税、国営企業の民営化によって引き起こされた。デフレ下で増税と緊縮財政を行うのは日本だけであり、今もその政策を続けている。
・中国の不良債権は膨大であり、政府が支えているが、清算しなければならない。米国の対中経済制裁で実体経済にも不況が広がると、一気にバブル崩壊へと進む可能性がある。対中投資は早く引き揚げるべきである。
・現在の中国は日本のバブル期と非常に良く似ており、恒大グループや地方政府の不良債権は整理が難しいため、何年も不良債権処理に苦しむことになるだろう。共産党員のみが富み、人民の大部分が貧しくなる二極化された社会になる可能性がある。
・中国のバブル崩壊は日本のそれとは比較にならないほど大きく、責任問題が中央政府に及ぶ場合、権力闘争、戦争、内乱などが起こる可能性がある。日本も覚悟して臨まなければならない。
・日本はバブル崩壊後も増税緊縮財政を続けており、成長していない国の一つになっている。米国が他国を抜かれると圧力をかけることがあり、日本の半導体産業崩壊も米国の圧力が一因とされている。
中国が「日本化」の波に飲まれていく…バブル経済の崩壊前と酷似した状況を英紙が危惧
https://news.yahoo.co.jp/articles/aa20e07bf86f34b821ba7e2c12219b6649840c2d