ロシアが「最大規模の」ドローン攻撃 ウクライナ首都と各地で


ロシアが「最大規模の」ドローン攻撃 ウクライナ首都と各地で

ロシアが「最大規模の」ドローン攻撃 ウクライナ首都と各地で

9日はロシアにとって第2次世界大戦の対独戦勝記念日で、同国はこの1週間ほど、ウクライナへの空爆を強めている。

ウクライナ軍によると、ロシアの空爆は日付が8日に変わったころから4時間以上続いた。イラン製の自爆型「シャヘド」ドローンが各地に飛来したという。

首都キーウでは一晩中爆発音が続いた。ヴィタリー・クリチコ市長は、これまでで「最大規模の」自爆型ドローン攻撃だったと述べた。キーウへの攻撃はこの8日間で4回目。

クリチコ市長によると、60機近いドローンがロシアから発射され、キーウ上空には36機が飛来した。36機はすべて上空で破壊したが、落下したドローンの破片で5人が負傷したという。

BBCはこの数字を確認できていない。

ウクライナ軍当局によると、キーウ市内に2つある民間機用空港の一つ、ジュリャーヌィ国際空港の滑走路にドローンの破片が落下し、救急隊が対応した。また、市内中心部シェフチェンキフスキー地区の住宅にも破片が落ち、市民らが負傷したという。

一方、南部の港湾都市オデーサでは、ロシアの爆撃機から発射されたミサイル8発により倉庫が炎上し、建物の残骸から男性警備員の死体が見つかったとウクライナ当局が発表した。

ウクライナ赤十字社は、人道支援物資を入れた倉庫が破壊され、すべての物資配送を中断せざるを得なかったとの声明を出した。

このほか、南部ヘルソン、ミコライウ、東部ハルキウの各州でもミサイル攻撃が相次いだと、ウクライナ軍司令部は明らかにした。

ヘルソン州当局によると、州内の2つの村で子ども1人を含む少なくとも8人が負傷したという。

ロシア側の動き

ロシア側の動きに関する情報も出ている。

ロシアが広い範囲を掌握している南部ザポリッジャ州では、ロシアが任命した行政トップのウラジミール・ロゴフ氏が、小都市オリヒウでロシア軍が倉庫とウクライナ軍の拠点を攻撃したと述べた。

一方、東部戦線の都市バフムートでは、ロシア軍が砲撃を強化したと、ウクライナ軍司令官が述べた。9日の戦勝記念日までに同市を攻略することを狙っているとされる。

バフムートは戦略的価値が疑問視されているが、ロシアの軍と民間軍事会社「ワグネル」は数カ月にわたり制圧を試みている。

ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏は、いったんはバフムートからの離脱を表明した。だがその後、ロシア国防省から弾薬の供給を約束されたとして、離脱方針を転換したとみられている。

■ゼレンスキー氏が「欧州の日」を発表

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、欧州連合(EU)にならって今後、5月9日を「ヨーロッパの日」として祝うと発表した。ロシアを鋭く非難する動きと見られている。

ゼレンスキー氏は、この日を欧州の統一と「ルシズム」(「ロシアのファシズム」を意味する略語)の敗北を記念する日にする法令に署名したと明らかにした。

また、5月8日は、世界の多くの国で定められているように、公式に「追悼と勝利の日」となると述べた。

ゼレンスキー氏は9日、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長とキーウでと会談する予定となっている。

■戦勝記念日のパレードでプーチン氏は

ロシアでは9日、モスクワの赤の広場で戦勝記念日のパレードが行われる。大統領府は、ウラジーミル・プーチン大統領がこの行事で何をするのか、まだ明らかにしていない。

昨年はプーチン氏は行進する軍隊を見守り、VIPボックス席で第2次世界大戦の退役軍人らと座っていた。

ロシアによると、旧ソ連の共和国であるアルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの指導者が、この日のパレードに参加を予定している。第2次世界大戦でソ連の同盟国だったイギリス、アメリカ、フランスを含む世界の主要国は、この行事を無視している。

ドイツ・ベルリンの裁判所は、5月9日に市内のソヴィエト戦争記念館での集会で、ロシアとソビエトの旗を持つことを禁止した。

ロシアは、第2次世界大戦でソヴィエト連邦がナチス・ドイツに勝利したことと、今回のウクライナ侵攻を根拠なく重ね合わせようとしている。

(英語記事 Russia launches ‘biggest’ drone attack on Ukraine)

(c) BBC News



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