豪海軍を悩ませるハンター級フリゲート、再びプログラムコストが高騰か

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豪海軍が進めるハンター級フリゲートのプログラムコストが高騰(350億豪ドル→450億豪ドル)して問題視される中、豪会計検査院は「1番艦の引き渡しが2032年にずれ込み、プログラムコストも更に高騰する」と指摘して注目を集めている。

もし国防省が計画通りハンター級を取得できないなら、原潜を問題なく調達できると誰が信じるのか?

オーストラリアは造船業界の雇用維持とアンザック級フリゲートの後継艦を調達するため2016年に新型フリゲートの国内建造を決定、このプログラムの船体設計にBAE、ナバンティア、フィンカンティエリが、戦闘システムにロッキード・マーティンとサーブが名乗りを上げ、2018年に26型フリゲート(BAE提案)とイージス・システム(LM提案)を選択、しかし度重なる問題に直面してアタック級潜水艦の二の舞いになりつつある。

豪海軍を悩ませるハンター級フリゲート、再びプログラムコストが高騰か

出典:Royal Australian Navy アタック級潜水艦の完成イメージ

当初予定では26型フリゲート(6,900トン)の船体にイージス・システムと国産レーダーを統合して8,000トンに収めるつもりだったが、豪海軍の要求要件が首尾一貫していなかったため設計作業に遅れが生じ、追加要素を反映したハンター級の予備設計案は10,000トンになってしまう。

重量が25%以上も増加して船体が大型化したにも関わらず主機構成が26型(MT30×1基/MTU4000×4基)と同じだったため航行速度が低下し、燃費とランニングコストが悪化、さらに国産のAESAレーダーと推進システムの両方に十分な電力を供給を行うのが難しく、この艦の指揮官は「常に電力をレーダーと推進システムのどちらに優先供給するべきか選択しなければならない」と指摘される始末で、このような問題を修正するため計画は既に4年遅れている。

豪海軍を悩ませるハンター級フリゲート、再びプログラムコストが高騰か

出典:Royal Australian Navy

350億豪ドルと見積もられていたプログラムコストも450億豪ドルに高騰しており、国防戦略の見直しで「調達数の削減=9隻から6隻」も噂されていたものの、この決定は海軍計画の見直し発表(9月予定)まで先送りされているが、豪会計検査院は「443億豪ドルと見積もられていたハンター級のプログラムコストは今年1月に『最も高騰する可能性が高い』と報告されていたにも関わらず、国防省は修正されたプログラムコストを政府に通知していなかった」と指摘。

さらに「設計の成熟度が欠如しているためハンター級の作業スケジュールは18ヶ月間の遅れが生じ、1番艦の引き渡しは2031年ではなく2032年にずれ込む予定で、国防省は提案された3つの設計案の費用対効果をきちんと評価しておらず、競合を差し置いて未成熟なBAEの設計案を選択することになった関連文書も保存されていない」と厳しく批判、国防問題を担当するシューブリッジ上院議員も「投資に見合う価値を得ているのか精査されないままプログラムを進めるのは政府と議会が間違いを犯している証拠だ」と主張している。

豪海軍を悩ませるハンター級フリゲート、再びプログラムコストが高騰か

出典:BAE Systems AUKUS級原潜

上院議員は「もし国防省が計画通りハンター級を取得できないなら、原潜を問題なく調達できると誰が信じるのか?このような軽率な行動は他の政府機関や民間企業では到底許されないだろう」とも述べており、最もリスクが高い26型フリゲートの設計を選択し、要求要件が定まらないまま予備設計を開始、次々と要件を追加して設計を破綻させ、追加作業やスケジュールの遅延によってプログラムコストを高騰させるの豪海軍の悪いクセだ。

因みに元海軍長官のデビッド・シャクルトン氏は昨年「ハンター級の調達を中止すべきだ」と訴えており、9月発表の海軍計画の見直しでハンター級プログラムには大鉈が振るわれる可能性がある。

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※アイキャッチ画像の出典:Royal Australian Navy

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