古舘伊知郎が振り返る、あのバンドの放送事故パフォーマンス「俺だけが顔面蒼白。他の歌手は大喜び」


古舘伊知郎が振り返る、あのバンドの放送事故パフォーマンス「俺だけが顔面蒼白。他の歌手は大喜び」

古舘伊知郎アナウンサー

【写真】忌野清志郎さんの自宅から遺族が発見したザ・タイマーズの結成企画書

 古舘は1985年10月から90年10月の番組終了まで「夜のヒットスタジオDELUXE」「夜のヒットスタジオSUPER」と派生番組「ヒットスタジオR&N」の司会を担当。生放送だったため「放送事故手前はいっぱいあった」といい、伝説となっているロックバンド「ザ・タイマーズ」とのエピソードを告白した。

 「ザ・タイマーズ」は忌野清志郎さんが89年に結成した覆面バンドで、デビューシングル「デイ・ドリーム・ビリーバー」発売時に「ヒットスタジオR&N」に生出演。予定されていた曲をラジオ局を罵倒する歌にすり替え、放送禁止用語を交えて歌唱。局側はバンドを3年間出入り禁止にした。

 反原発ソングが収録されたRCサクセションのアルバム「COVERS」の発売中止問題、オンエアを自粛した一部ラジオ局への怒りが背景にあった忌野さんの行動。古舘はリハーサル時から不穏な空気を感じていたそうで、「(リハで)♪古舘伊知郎、古舘伊知郎って26回ぐらい俺の名前言ったんです。これは絶対ダミーだって分かるじゃない。だからリハーサル終わって忌野さんの楽屋行った」という。

 古舘が「本番で何か言うんですか?司会として責任あるから」と聞くと、「古舘ちゃん、大丈夫絶対大丈夫。迷惑かけないから。俺も大人だよ」と忌野さん。半信半疑のまま本番を迎えると、忌野さんは過激な歌詞と放送禁止用語を連呼、伝説に残るパフォーマンスとなった。

 「ああいうところでハプニング、アクシデントを起こすっていう、心優しいテロリスト?忌野さんのギミック、仕掛けですよ。ロックならではの」と振り返った古舘。忌野さんは歌い終わった後に「ざまあみやがれ、コンチキショー!」と気持ち良さそうにつぶやいたそうで、「ここまでであの人のやり口は完遂したんだなと思って」としみじみと語った。

 スタジオでこの様子を見ていた出演歌手たちは「全員うれしそうに笑っていた」そうで、古舘は「自分たちができない不埒なことを起こしてくれるんで大喜びしてるんですね、代理行為に」と分析。「俺だけが顔面蒼白なんですよ。放送中何回も謝りましたもんね」と振り返っていた。



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