玉木国民代表、寂しい聴衆「これが党の現実だ」 佐賀で遊説


佐賀県を訪れ、公認候補を応援した国民民主党の玉木雄一郎代表=6日午後、佐賀県佐賀市(中村雅和撮影)

 国民民主党の玉木雄一郎代表が6日、参院選の応援に佐賀、長崎両県に入った。佐賀は2年前の衆院選で、野党系候補が全2選挙区で勝利した全国唯一の県だ。だが、玉木氏の街頭演説の聴衆は数えるほど。低迷する党支持率を映し出したかのような現実に、党関係者から嘆きが漏れた。(中村雅和)

 「正直な政治が危機にひんしている。国民生活の安心も壊れつつある。それらを取り戻すための戦いが、今回の参院選だ!」

 同日午後、玉木氏は佐賀市北部の幹線道路沿いで、声を張り上げた。聴衆は10人程度で、報道関係者より少なかった。

 佐賀県は、平成29年10月の衆院選で、旧民進党系の原口一博氏(1区)と、大串博志氏(2区)が当選した。野党が大敗した選挙にあって、例外中の例外だった。原口氏はその後、国民入りし、国対委員長を務める。大串氏は無所属となった。

 今回の参院選で野党は、国民の元職を統一候補とした。原口、大串両氏も陣営に入り、衆院選の再現を狙う。事実、自民党は佐賀選挙区を情勢が最も厳しい「激戦区」と位置づける。

 だが、聴衆の数を見る限り、原口、大串両氏の人気も、国民の党勢拡大には結びついていない。玉木氏はこの日、佐賀市内でもう1カ所、街頭演説に臨んだが、聴衆は20人足らずだった。

 陣営関係者は「原口氏らの人気が高い佐賀は、他県とは違うと思っていたが…。この聴衆の少なさが、今のわが党の現実ですよ」と自嘲気味に語った。

 それでも演説を終えた玉木氏は産経新聞の取材に「地元(香川県)でも、こんなものだよ。聞いてくれるだけでありがたい。うちは草の根だから、飛び込んでいかないといけないからね、大丈夫だよ」と、気にするそぶりを見せなかった。



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