ウクライナ人パイロットは4ヶ月の訓練でF-16を操縦できるようになる?

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ウクライナ人パイロットは約2週間のシミュレーターテストで技量の高さ示し「米空軍は4ヶ月の訓練でF-16を操縦できようになると結論づけた」と報じられているが、この4ヶ月間で習得できる戦闘スキルは初歩的な空対空戦闘のみだ。

各国の空軍が何年もかけて育てるパイトットを「短期間で」というのが無理な話なのだろう

米YahooNewsは19日「2人のウクライナ人は約2週間のシミュレーターテストで技量の高さ示し、米空軍はF-16を操縦できようになるまで4ヶ月の訓練で十分だと結論づけた」と指摘、この報道を受けてウクライナメディアは「F-16の操縦をマスターするのに『何年もかかる』という以前の評価を覆すものだ」と報じたが、ここには非常に大きな誤解が潜んでおり、ウクライナ人パイロットの技量評価レポートを入手した米ディフェンスメディアは「4ヶ月間で習得できるのは基本的なスキルセットのみだ」と述べている。

ウクライナ人パイロットは4ヶ月の訓練でF-16を操縦できるようになる?

出典:U.S. Air Force photo/Samuel King Jr.

このレポートはBaseline Pilot Assessment(BPA)と呼ばれており、シミュレーターテストの目的は「スキルのベースライン評価を確立」「西側製戦闘機による訓練の可否」「訓練スケジュールの期間を左右する専用シラバスの開発」「訓練に不可欠な英語適正の確認」で、米空軍はBPAの中で「2人のパイロットは約11時間のシミュレーターテストで平均以上のスキル向上を示し、必要なスキル習得に焦点を当てたシラバス開発を加味すると現実的な訓練期間は4ヶ月間が妥当」と評価しているが、この4ヶ月間で習得できる戦闘スキルは初歩的な空対空戦闘のみだ。

専用シラバスを用いた4ヶ月間=16週間の訓練内容は大まかに移行訓練、低レベルの低空飛行訓練、空対空戦闘訓練の3つに分かれており、唯一の戦闘スキル=空対空戦闘は「単機もしくは2機編成による迎撃とAIM-120とAIM-9による基本的なWVR(視界内射程)運用に重点を置く」と言及しており、基本戦闘機機動、空中戦闘機動、空中給油、近接航空支援、水上攻撃といった訓練要素は含まれていない。

ウクライナ人パイロットは4ヶ月の訓練でF-16を操縦できるようになる?

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Valerie Halbert

つまり「MiG-29やSu-27の操縦資格と十分な飛行時間をもつウクライナ人パイロット」なら比較的短時間でF-16を飛ばすことが可能だが、対応スキルは低レベルの低空飛行と初歩的な空対空戦闘のみで、ウクライナが期待しているような効果をもたらすとは言い難く、AIM-120の射程を生かした視界外戦闘、無誘導爆弾やJDAMを使用した近接航空支援、AGM-88HARMを使用した敵防空網制圧に対応したスキル獲得を全て身につけるには「年単位の訓練期間」が必要で、各国の空軍が何年もかけて育てるパイトットを「短期間で」というのが無理な話なのだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Daniel Asselta

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