露軍元大佐、バフムート勝利は不要で戦略の馬鹿さ加減と戦死者数は別格

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ロシア軍元大佐のイゴール・ガーキン氏は「クレムリンの老人達が頭に思い描いた政治的課題を解決するのに『バフムートの勝利』は本質的に不要」と指摘し、消耗戦を仕掛けた戦略の馬鹿さ加減と発生した戦死者数は別格だと批判した。

バフムートの勝利は本質的に不必要でピュロスの勝利、過度な消耗がドンバス戦線の不安定をもたらす

ロシア軍元大佐のイゴール・ガーキン氏はバフムートを(ほぼ)制圧を受けて「ロシア人は昔も今も世界最高の兵士だ。なぜならウクライナのファシスト達が要塞化した陣地の正面攻撃に投入され、これを勇気、体力、勇敢さを発揮して粉砕し勝利を収めたのだから敬意を表する」と述べたが、これはクレムリンに対する皮肉で「冬春期における攻勢全体」の評価は非常に辛辣なものだ。

露軍元大佐、バフムート勝利は不要で戦略の馬鹿さ加減と戦死者数は別格

出典:Оркестр Вагнера | Wagner

ハルキウ方面での屈辱的で壊滅的な敗北、ヘルソン周辺に確保していた土地の完全放棄、法的地位が不明な過小動員(25万人から30万人/ガーキン氏は何度もカバーすべき前線の長さを考慮すると全く足りないと指摘してきた部分)を経て復讐を開始したが、クレムリンは友好国との妥協的合意に基づき「紛争規模の拡大を凍結する」という方針を採用しているため、この戦争に「どれだけ有益な戦略的展望をもたらす選択肢」があっても考慮されず、復讐はドンバス戦線における消耗戦に限定された。

この戦略における馬鹿さ加減と発生した戦死者数は別格で、守りが手薄な他の戦線での攻勢を控え、最も守りが固く要塞化されたスラビャンスクやクラマトルスクへの押し上げ=バフムート攻略のみに力を注ぎ、我が国の軍事戦略家は「クレムリンの老人達が頭に思い描いた政治的課題=ドンバスを完全解放することでキーウ政権や西側諸国にロシアの要求に沿った和平交渉を強制、確保したクリミア、ドンバス、アゾフ海沿岸地域の現状維持」を達成しようと試みたが、見ての通り課題は少しも解決していない。

露軍元大佐、バフムート勝利は不要で戦略の馬鹿さ加減と戦死者数は別格

出典:GoogleMap バフムート周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

ロシア軍は7ヶ月間に及ぶ血みどろの戦いで大半の歩兵を失い「比較的小さな戦術的勝利(ソレダルとバフムートの奪還)」を手にしたが、戦略的課題の解決に失敗したためバフムート関連の戦いは「統率技術の頂点を極めた世界史的にも重要なエポックな戦い」と評されており、冬春期における攻勢は戦略的失敗に終わっている。

なぜなら「ドンバス戦線における敵をあらゆる方向から追い出すことに失敗した」からで、局地的な戦線の押し上げはあっても全体的に見れば「全く戦線が動いていない」と言え、この攻勢でロシア軍は準備した人的資源、武器、装備、弾薬の殆どを消耗してしまい、だからこそクレムリンが発表した「バフムート解放」は非常に重要だ。

露軍元大佐、バフムート勝利は不要で戦略の馬鹿さ加減と戦死者数は別格

出典:Генеральний штаб ЗСУ

消耗しきったロシア軍を立て直すには時間が必要で、なんとかバフムート郊外に到達できたことはクレムリンにとって「攻勢を停止する正当な理由」になるだろうが、これは敵にとって反撃を開始する絶好のチャンスであり、ロシア軍の兵士は疲弊し弾薬も少なく、もしウクライナ軍がドンバス戦線(例えばマリウポリ方面)で反撃を開始すればバフムートの戦いでボロボロになった部隊や予備戦力が敵を迎え撃つことになる。

ザポリージャ方面で反撃を行うならウクライナ軍はスラビャンスクやクラマトルスク方面の防衛を心配する必要がなく、過度な消耗はドンバス戦線に「戦力密度の低下」もしくは「戦力の不均衡」をもたらし、ウクライナ軍の反撃を容易にする決定打になるかもしれない。

露軍元大佐、バフムート勝利は不要で戦略の馬鹿さ加減と戦死者数は別格

出典:President of Russia

このような要因を踏まえて「バフムートの勝利」を定義した場合、本質的に不必要でピュロスの勝利(費やした労力と得られた成果が見合っていない)と考えているが、私が間違っていることを願っている。

以上がガーキン氏による総括で、消耗しきったロシア軍にバフムートから先に進むための戦力はなく、ウクライナ軍は「バフムート方面で疲れ果てた敵部隊」が再編されるまで攻勢の主導権を握ることができ、これから始まる反攻作戦で「7ヶ月間の冬春攻勢」で得た以上のものを失う可能性があるという意味だ。

露軍元大佐、バフムート勝利は不要で戦略の馬鹿さ加減と戦死者数は別格

出典:Пресс-служба Пригожина

因みにガーキン氏は「バフムートでロシア軍は最高に準備された部隊を消耗させられた」「ロシア軍は大量の砲弾を消耗させられ砲弾飢餓に陥った」「ロシア国防省とワグナーの対立は国家の指導者が独占すべき武力行使の手段を制御できなくなっている証拠」「国防省を批判するプリゴジン氏の印象的な映像の数々は自身のイメージアップに繋がり、民間軍事会社をボスから本気で大統領を目指す政治家に転身した」などとも言及している。

繰り返しになりますが、基本的に管理人はウクライナ侵攻について戦場で何が起きているのか、ウクライナやロシアのメディアが何を伝えているのか、日本視点ではなく海外がウクライナ侵攻をどう見ているのかを重視し、管理人が興味深いと感じた情報を無意識に取り上げているだけで、取り上げる話題の選択に「中立」を意識したことは1度もありません。

露軍元大佐、バフムート勝利は不要で戦略の馬鹿さ加減と戦死者数は別格

管理人が取り上げる話題を読者がどのように解釈して評価するかは自由ですが、きっと「○○寄りのブログ」だと感じるのは「戦場の推移が応援している国にとって好ましいか好ましくないか」の違いでしかなく、ブログに特定の色をつけようと何度も書き込みしたところで「取り上げる話題」に何の影響も及ぼしません。

個人的には迷惑でしかないので権利を行使してコメントを消すかもしれない。

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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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