明治座の昼の部「不死鳥よ 波濤を超えて」の平知盛役で宙乗りを披露する市川團子(C)松竹
18日に自宅で両親と共に倒れているのが発見された市川猿之助が出演していた東京・明治座の「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の昼の部「不死鳥よ波濤を越えて」が27日、千秋楽を迎えた。猿之助が演じていた主人公・平知盛を、香川照之こと市川中車の長男・市川團子が、急きょ20日から8日間にわたって代演した。
【写真】20日に猿之助の代役を堂々と務めた市川團子
18、19日はやむを得ず休演となった同公演だが、團子は代役決定からわずか1日弱でセリフや演出を覚え、20日から知盛役を見事に務め上げた。劇場は、異例の事態の中にあっても公演を続行した團子ら出演陣の雄姿を一目見ようと、早朝から当日券を求め長蛇の列となった。
物語クライマックスで、知盛が不死鳥となって羽ばたくシーン。満席状態の観客からすすり泣きが聞こえ、立ち見客約30人からもこの日一番の拍手が送られた。
2時間15分の終演後は、4分半に及ぶ万雷拍手と、スタンディングオベーションよる喝采が続いた。観客は「立派だったね」、「えらいえらい、よくやったね」などと、涙ながらに賛辞を送っていた。
報知新聞社