南アフリカ、プーチン氏への対応めぐり法改正を検討 ICCから指名手配


南アフリカ、プーチン氏への対応めぐり法改正を検討 ICCから指名手配

南アフリカ、プーチン氏への対応めぐり法改正を検討 ICCから指名手配

南アフリカ大統領府のオベド・バペラ次官は、「6月に議会に法律を提出する予定だ」とBBCの番組で語った。

同国では8月に、ブリックス(BRICS)と呼ばれる新興5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の首脳会議が予定されいる。プーチン大統領も招待されているが、ロシアは大統領が出席するのか明らかにしていない。

プーチン氏に対しては、ウクライナにおける戦争犯罪に関わった疑いがあるとして、ICCが3月に逮捕状を発行した。ロシア側は容疑を否認している。

南アフリカは現行法に基づき、プーチン氏が来訪した場合には、ICC加盟国として同氏を逮捕しなくてはならない。

そのため、南アフリカがプーチン氏に対する招待を維持するのか、さまざまな憶測が飛び交っている。

南アフリカは、首脳会議に出席予定のロシア政府関係者に外交特権を与えており、標準的な手続きだと説明している。

南アフリカはロシアのウクライナ侵攻を非難しておらず、中立を保ちたい考えだ。

南アフリカの主要野党の民主同盟(DA)は、プーチン氏が8月に到着した場合には当局に逮捕させるよう、裁判所に申請している。

■ICCの「二重基準」を非難

バペラ次官はBBCの番組で、今回の法律によって南アフリカは、「誰を逮捕し、誰を逮捕しないかの適用除外を自らできることになる」と述べた。

バペラ氏はまた、南アフリカがICCに、権利の放棄について通知していると説明した。

これは、2002年にICCを設立させた条約「ローマ規定」に関わるもの。同規定は第27条で、誰もICCによる訴追を免れないとしている。一方で第98条は、ロシアがプーチン氏の訴追免除を放棄しない限り、ICCは南アフリカにプーチン氏の逮捕を求めることができないと定めているように思われる。

バペラ氏は、ICCの「ダブルスタンダード」を非難。戦争犯罪法廷には、南アフリカ初の民選大統領となったネルソン・マンデラ氏(故人)も失望しただろうと述べた。

そして、「ICCが今日あるようなものになるとは思ってもみなかった。トニー・ブレア(元英首相)も(ジョージ・W)ブッシュ(元米大統領)も、イラクの人々の殺害について起訴されなかった」と、2003年のイラク侵攻に言及しながら批判した。

「マンデラなら、ICCの不平等や矛盾は問題だと言ったはずだ」

バペラ氏はさらに、国際的な司法が適用除外となった過去の例を指摘。イギリスが1998年にチリのアウグスト・ピノチェト将軍(故人)の身柄を引き渡さなかったことを挙げた。

ピノチェト氏は、17年間の統治時代に行った人権侵害を裁こうとしたスペインの裁判官の要請で、ロンドンで拘束された。しかし英政府は、同氏が裁判を受ける体調にはないとする医療専門家の助言を受け、16カ月後に釈放した。同氏はその後帰国し、2006年に死去した。

(英語記事 SA plans law change over Putin arrest warrant)

(c) BBC News



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