歌手の松任谷由実が15日、ニッポン放送の番組「松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」に出演し、かつて自身が遭遇したストーカー被害と、その際に飼っていた愛犬が刺されるという痛ましい経験を明かしました。この衝撃的な告白は、動物愛護法の現状に対する日本の課題を浮き彫りにする形となりました。
ラジオ番組でストーカー被害と愛犬の経験を語る松任谷由実
滝川クリステルが指摘する動物愛護法の現状
この日の放送には、動物愛護活動に力を入れているフリーアナウンサーの滝川クリステルがゲストとして登場しました。滝川氏は現在、動物愛護法の改正を求めており、「動物虐待の問題で、まだまだ(法律が)整備されていなくて、例えば動物虐待で有罪判決を受けても、その子を連れて帰りたいと言ったら連れて帰れる」と日本の法制度の不備を指摘。この実態に松任谷も驚きを隠せませんでした。
松任谷由実が語る愛犬被害の詳細と法の壁
滝川氏の発言を受け、松任谷由実は「随分前に、ストーカー被害に遭ったことがあって、その時に愛犬が刺された」と突然、重い口を開きました。この告白には滝川氏も絶句し、「えっ」と声を漏らしました。松任谷は当時の状況を振り返り、「そうしたら、器物損壊にしかならないんです。一週間の拘束しかできない」と、事件が「物」への損害として扱われ、加害者への刑罰が非常に軽かったことを語りました。
さらに松任谷は、「怪我をして。2匹飼っていたが、片方がかなり(傷が)深かった。片方はそうでもなかったけど、大変だったんです。それ以降も生きましたけど、深手を負った方は短命でした」と、愛犬たちが受けた身体的、精神的な深い傷、そしてその後の短い生涯について触れました。彼女は「こんな話をラジオでしても…。刑が軽いと聞いて思い出しました」と、法制度の不備が自身の辛い記憶を呼び起こしたと述べました。
滝川クリステルが呼びかける法改正の重要性
この松任谷の経験を聞いた滝川クリステルは、「虐待した人間に戻されるはずはないと思うじゃないですか。所有権放棄と言わないと、元に戻るんです。海外は虐待にはものすごく厳しい。日本は遅れている。とにかく物扱い」と日本の動物愛護法に対する憤りをあらわにしました。彼女は現在、このような不備を是正するための法律改正の署名活動を行っており、「ぜひ多くの人に署名していただきたい」と、より多くの人々に協力を呼びかけました。
今回の松任谷由実の告白は、ストーカー犯罪の深刻さだけでなく、日本の動物愛護法が抱える根深い問題、特に動物が「物」として扱われる現状に警鐘を鳴らすものでした。この問題への社会全体の理解と、法改正に向けた具体的な行動が今後ますます求められています。