ハローキティ ロシア事業継続にSNSで批判殺到! ピンクバーガー炎上の波紋

昨年50周年を迎え、世界中で愛される人気キャラクター「ハローキティ」。しかし、ロシアで販売されたある限定バーガーを巡り、キャラクターのライセンス事業を継続するサンリオに対し、日本国内外のサンリオファンや一般ユーザーからSNS上で批判の声が殺到している。ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、多くの日本企業が事業停止や撤退を決断する中、サンリオの対応が波紋を広げている。

50周年を迎えたハローキティのイラストとアニバーサリーケーキ50周年を迎えたハローキティのイラストとアニバーサリーケーキ

ロシアで販売された「ハローキティ・バーガー」とは?

事の発端は、時事通信社が運営するニュースサイト『JIJI.COM』が2023年8月4日に配信した記事だった。報道によると、ロシアから撤退したマクドナルドの後継店「フクースナ・イ・トーチカ(おいしい。それだけ)」で、期間限定の「ハローキティ・バーガー」が夏季限定商品として発売されたという。

このハローキティ・バーガーは、バンズとチーズソースが目を引くピンク色で、注文用タッチパネルの枠上部にはハローキティの耳とリボンが装飾されている。さらに、サイドには日本語で「かわいいでしょう?」と書かれたのぼり風のプレートが添えられていると報じられた。

ロシアのマクドナルド後継店で販売されたピンク色のハローキティバーガーロシアのマクドナルド後継店で販売されたピンク色のハローキティバーガー

ロシアにおけるサンリオのライセンス事業の背景

サンリオは早くからロシア市場に注目しており、2003年にはモスクワにロシア初の「サンリオショップ」をオープンしている。また、2010年頃からはキャラクターのライセンス事業を本格的に展開し始めたと見られている。

しかし、2022年2月にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、日本はG7(主要7カ国)などと連携し、ロシアに対して経済制裁を科している。これに対し、ロシア政府は日本を「非友好国」に指定した。このような政治的・経済的緊張が高まる中、多くの日本企業はロシアでの事業停止や撤退に踏み切る決断を下してきた。そうした企業の中には、日用品メーカーから自動車メーカーまで多様な業種が含まれる。

一方、サンリオはこれらの日本企業とは異なり、ロシアでのライセンス事業の停止や撤退の発表はしておらず、現在も事業を継続している状況が確認されている。『JIJI.COM』の報道では、「商品企画には、キャラクターのライセンス事業を続けるロシア企業が関わったとみられている」とされており、サンリオ側が直接関与したか否かは不明瞭ながら、ライセンス契約が有効であることが示唆されている。

サンリオへの失望とSNSでの批判の声

ハローキティ・バーガーに関するニュースが報じられた8月4日以降、X(旧Twitter)などのSNS上では、サンリオのロシアにおける事業継続に対する不満や非難の投稿が相次いでいる。主な批判の内容は以下の通りである。

  • 「ロシアでまだライセンス事業を続けているサンリオに失望した」
  • 「サンリオは子どもに夢を売る商売なのに、倫理観が低い」
  • 「これが正式なコラボなら、二度とサンリオグッズは買わない」
  • 「こんなライセンス契約、ハローキティは仕事を選べよ」
  • 「サンリオの理念は『思いやり・みんな仲良く』だと思います。一方的に殴りかかっている国でビジネスを続け、夢や希望を失っているウクライナの子どもたちにはそっぽを向く。そんな印象を持ちました」

これらの投稿の中には、「サンリオが許可したとは信じ難い」といった、公式な関与を疑うニュアンスを含む意見も多く見られた。サンリオが掲げる「みんな仲良く」という企業理念と、国際情勢における事業継続の姿勢との間にギャップを感じるユーザーが少なくないことが、今回の騒動から浮き彫りとなっている。


参考文献