トルコのエルドアン大統領(右)と握手するNATOのストルテンベルグ事務総長=トルコ・イスタンブールで2023年6月4日、ロイター
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は4日、イスタンブールでトルコのエルドアン大統領と会談した。焦点となっているスウェーデンの加盟問題について大きな進展は見られず、双方は6月中旬に再び話し合うことで合意した。
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スウェーデンは7月にリトアニアで開かれるNATO首脳会議までの加盟実現を目指し、欧米の主要国も後押しする。しかしトルコ政府は、エルドアン政権と対立する非合法組織「クルド労働者党」(PKK)の「テロリスト」をスウェーデンがかくまっていると主張し、加盟承認を保留している。
ストルテンベルグ氏は会談後に記者会見し、スウェーデンが6月1日に新たな反テロ法を施行したことで「(トルコに対する)義務を果たした」と述べたが、トルコによる承認についての見通しは示さなかった。7月のNATO首脳会議までの加盟については「それを実現するためにはまだ時間がある」と述べるにとどめた。
NATOへの加盟には全31加盟国の承認が必要。スウェーデンの加盟には、トルコのほか、ハンガリーも難色を示している。
スウェーデンと同時に昨年5月に加盟を申請したフィンランドは、今年4月に既に加盟を終えている。【ブリュッセル岩佐淳士】