ウクライナ南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所のダムを撮影した衛星写真。橋の一部が損壊しているのが分かる=2023年6月5日、米宇宙開発企業マクサー・テクノロジーズ撮影・ロイター
ウクライナ南部ヘルソン州で6日に決壊したカホフカ水力発電所のダムが、決壊の数日前から一部が損壊していた可能性が指摘されている。ダムはロシア軍の占領下にあり、管理が適切でなかった恐れがある。ただ、決壊に至った直接の原因に関係しているかは分かっていない。
米CNNテレビなどによると、米宇宙開発企業マクサー・テクノロジーズが撮影したダムの衛星写真では、5月28日時点ではダムにかかる橋が確認できたが、6月5日時点では橋の一部が損壊していた。CNNは別の写真も分析し、1日から2日にかけて橋の一部が流されたとの見方を報じた。ただ、この時点では水流に大きな変化は起きていないとみられるという。
決壊の原因を巡っては、6日未明に爆発音がしたとの報道がある。ウクライナはロシア軍が爆破したと主張。一方、ロシアはウクライナによる破壊工作だと訴えている。CNNによると、トルコのエルドアン大統領は7日、ウクライナのゼレンスキー大統領、ロシアのプーチン大統領とそれぞれ電話協議し、原因究明のために国際的な調査委員会を設立すべきだと伝えた。【カイロ金子淳】