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頭をカラスに蹴られて出血、知人の家に逃げ込んだ――。神奈川県大磯町に住む91歳の女性からの投書だ。毎春、カラスに襲われたという投書が寄せられる。カラスが襲ってくる原因とその対策を探った。
【動画】通行人の頭スレスレを飛ぶカラス
3月下旬から繁殖期
低空飛行するカラス(4月18日、札幌市中央区の大通公園で)
カラスは3月下旬頃から繁殖期を迎える。そのため、卵やヒナを守ろうとする本能から近くを通る人への威嚇や攻撃を始める。5月頃にヒナが生まれ、巣立つまでの約1か月は最も危険な時期と言われる。
NPO法人「札幌カラス研究会」の中村真樹子代表によると、カラスは段階を踏んで襲撃してくる。第1段階では、じっと見て鳴き声で威嚇する。第2段階では鳴きながら威嚇対象へと飛行してくる。そして、最終段階は後ろから蹴りで攻撃してくる。
20年以上威嚇され続け
カラスが「危険人物」を記憶し、継続して襲撃を続けることも被害を生む一因となっている。札幌市の三浦公佐子さん(63)は20年以上前に近所の公園で散歩中にカラスのヒナに近づいて以来、その公園に行くとカラスに威嚇され続けている。
「カラス博士」の異名を持つ杉田昭栄(しょうえい)宇都宮大名誉教授(動物形態学)によると、カラスは人をある程度判別できるだけでなく、敵とみなす能力も持っているという。棒状のものを振ったり、石を投げたり、巣に近づいたりする行為をカラスは危険と感じ、行為を行った人間を敵として認識する。人間を顔などで判別するので、たとえ服装が変わっても見分けて襲ってくる。
また、カラスはそうした情報を共有しているようだ。仲間が威嚇する様子を見たカラスは、威嚇対象を危険人物として記憶する。親カラスから子カラスにも同様に情報が受け継がれる。世代を超えて情報を共有するこの賢さが、長期間襲われ続ける理由とされている。杉田名誉教授は「因果関係をとらえ、個人を敵と記憶し、それをカラス仲間で共有している」と話す。
腕や傘、帽子で頭守る
カラスの襲撃対策として一番有効なのは刺激を与えないことだ。「威嚇された」など年間約700件の相談が寄せられる札幌市では、巣の場所を確認した後に「近寄らないで」と書かれた看板を設置している。
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