車いすの男性が海に転落、77歳が救助 持病忘れて駆け下りた岸壁

[ad_1]

車いすの男性が海に転落、77歳が救助 持病忘れて駆け下りた岸壁

感謝状を手に、熊本県警上天草署の福岡淳一署長(左)らと並ぶ橋本富広さん(中央)=2023年6月8日、熊本県上天草市

【写真】感謝状を贈られ、熊本県警上天草署長らと話す橋本富広さん=2023年6月8日、熊本県上天草市

 平年に比べると少し肌寒いが、晴天に恵まれた日だった。2月26日の午後、橋本さんは近所の漁港に散歩に出た。岸壁の方をみると、やはり漁港の近くに住み、顔見知りの電動車いすに乗った男性がいた。

 魚釣りをしている人たちを眺めていると「バシャン」と音がした。高さ約3メートルの岸壁から、車いすごと男性が転落したのだ。

 橋本さんは男性が落ちた方向に急ぎ足で向かい、岸壁の階段を駆け下りた。水面には横向きになった男性の顔が見えた。

 幸いにして、男性が転落したのはスロープ状になっている水深の浅いところだった。橋本さんはくるぶしを海水にひたしながら、男性の手を取り、階段まで引き上げた。

 「おーい」と助けを求めると、周囲にいた人々が駆け寄ってきたり、消防に通報したりした。男性は救急車で病院に運ばれたが、大きなけがもなく無事だったという。

 橋本さんには持病があり、体内にはペースメーカーが入っている。だが、男性が転落したときはそのことを忘れ、とっさに体が動いた。階段を駆け下りるとハァー、ハァーと息が荒くなったが「助けなければと、必死だった」と振り返る。

 男性とはその後も、道ばたですれ違う。「おかげさまで、ありがとうな」「よかったなー」。そんな会話を交わすという。

 感謝状を贈った上天草署の福岡淳一署長は「寒い時期だったにもかかわらず、人命第一でお助けいただき、ありがたい」「ご自身の持病もかえりみず、頭が下がる思いです」と、橋本さんの行動をたたえた。(吉田啓)

朝日新聞社

[ad_2]

Source link