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戦車やミサイルの製造能力が低下したロシアは自爆ドローンを多用してウクライナを攻撃し続けている。そのドローンはイラン製。安価で大量に買い付け、カスピ海経由でイランからウクライナ国境近くの拠点に運ばれてくる。更に今、ドローンを国内製造するための工場も建設中だ。
一方、先日モスクワが攻撃された際、使われたのもドローンだった。やったのはロシア内の反プーチン派とみられるが、使用されたドローンはウクライナ製だった。これほどまでにドローンが“兵器”として活用されたことはない。そして、ウクライナではドローンをめぐって、ひとつの国家プロジェクトが動き出していた・・・。
【写真を見る】ドローン製造のスピードが戦争を決する ウクライナの“ドローン軍団プロジェクト”とは…【報道1930】
■「今の戦争は技術の戦い。ドローンが製造されるスピードの戦い」
戦時下のウクライナで6月1日、国が主催してドローンの性能を競うコンテストが催された。
14の民間企業や団体が参加したこの大会で優勝したのは、ボランティアが中心の市民チーム。彼らは今年になってドローンの開発を始めたばかりだという。優勝チームの代表は”チャンピオン”と手書きしたドローンを手に語った。
ボランティアのドローン開発チーム代表 イワン・ポドリャンさん
「優勝するなんて思ってなかった。自分のドローンを色々な障害物の中で試したかっただけ」
大会では移動中の標的を攻撃する能力、停止した目標を攻撃する能力、さらに操縦を妨害する電子戦装置が稼働している時の飛行能力など、実際の戦争を想定した動きばかりが競われた。実はこの競技会、ロシアとの戦争にドローンを供給することを目的として開発と製造を支援する国家プロジェクト“ドローン軍団”の一環として行われた大会だった。
“ドローン軍団”は戦争が激化した去年7月に立ち上られたプロジェクトだ。ウクライナ政府は今年約720億円をドローン関連に投入するという。
“障害物の中を試したかっただけ”と笑顔で語ったポドリャンさんも、自分たちが開発するドローンが兵器として使われることをわかって作っている。だから攻撃能力については一切話せないと前置きしたが、パーツは一般に流通しているもの使っているという。しかし・・・