「鬼滅の刃 無限城編」中国本土公開が不透明に:厳格な映画審査とファンの期待

人気アニメ「鬼滅の刃」の最新作、劇場版「無限城編 第一章 猗窩座再来」が7月18日、日本全国で公開されました。この作品は今後、世界150以上の国と地域での上映が予定されていますが、中国本土での公開については、現時点で未定という状況が続いています。

「鬼滅の刃」中国での人気と配信状況

「鬼滅の刃」は、日本国内だけでなく海外でも広く認知され、特に東アジア圏では絶大な人気を誇ります。中国においても、大手動画配信プラットフォーム「Bilibili(ビリビリ)」でテレビアニメ版が中国語字幕や吹き替え付きで配信されており、熱心なファン層を確立しています。今回の最新作は、香港や台湾での上映が既に決定している一方で、中国本土での公開可否は依然として不透明なままです。

中国北京市で開催された人気アニメ「鬼滅の刃」イベントの様子。展示物が多くのファンを惹きつけている。中国北京市で開催された人気アニメ「鬼滅の刃」イベントの様子。展示物が多くのファンを惹きつけている。

中国本土での公開の障壁:厳格な映画審査

中国で外国映画を上映するには、中国当局による厳格な審査を通過する必要があります。過去の劇場版「無限列車編」の場合も、激しい戦闘シーンにおける流血表現が「暴力的」とみなされた可能性があり、中国本土の映画館での正式な上映には至りませんでした。今回の「無限城編」にも同様に激しい戦闘場面が含まれているため、検閲を通過し、公開にこぎつけることができるかは極めて不透明な状況です。

中国ファンからの期待と懸念

日本での公開が始まった7月18日、中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」には、「早く中国でも見たい」「香港まで行くしかない」といった、映画の公開を待ち望むファンの声が多数寄せられました。一方で、仮に今後中国本土での公開が実現したとしても、流血シーンの「黒塗り」処理や一部カットなど、内容に大幅な修正が加えられる可能性も指摘されています。ある中国の映画ブロガーはSNS上で、「審査に悪影響を与えないためにも、インターネット上で作品について論評せず、静かに公開を待つべきだ」と呼びかけており、中国国内の複雑な状況を反映しています。

結論

「鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来」の中国本土での公開は、過去の事例と現在の中国の厳しい映画審査基準から見て、依然として大きな課題を抱えています。人気作ゆえにファンの期待は高いものの、修正なしでの上映は困難を極めるでしょう。今後の当局の判断が注目されます。

参考文献