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日本ではあまり知られていない「トゥレット症」という病があります。自分の意思に反して突然、手足が動いたり、大きな声が出てしまうこの病気と闘いながら、自らの夢を叶えようとする28歳のウーバー配達員を取材しました。
(前編・後編のうち前編)
【写真を見る】15秒に1回、大声がでる「トゥレット症」と闘うウーバー配達員(28)が叶えたい夢【報道特集】
■「体に悪魔が棲み着いているよう」 17歳まで病気を打ち明けられず
名古屋に住むウーバーイーツの配達員、棈松怜音さん(28)。大きな声が出るのは、約15秒に1回。
棈松怜音さん
「僕みたいに声がでちゃう人と、体が動くタイプの人、運動チックと音声チックの2種類があって…」
「音声」チックには、咳払いや叫び声、うなり声などがある。一方、「運動」チックには、まばたき、首振り、肩すくめなどがある。
このうち、一つ以上の「音声チック」と複数の「運動チック」が1年以上に渡って見られる状態が続くと「トゥレット症」と診断される。
怜音さんも「トゥレット症患者」の1人。症状は脳機能の何らかの異常により現れると考えられているが、詳しい原因や治療法は見つかっていない。
1日の配達は平均20件。配達先が決まると、事前に病気を説明する次のようなメッセージを送る。
「この配達はわたくしREONが運ばせていただきます!チックという病気があり、身体の動きや声が出てしまうことがありますが、許していただけると幸いです」
怜音さん
「あ、あ、突然声をだして不信感があると思うんですけど、それを少しでも解消するために怖がらないでください。というメッセージになります」
怜音さんは人と接する時間が短くて済むことから、この仕事を選んだ。3年間で配達は述べ1万件を超えた。
怜音さんは小学2年の時、父親の一言がきっかけで、自分が病気だとわかった。
怜音さん
「一緒に家族で食卓を囲んでいるときとかに、父ちゃんに『その癖やめれんのか』と言われるけど、ちょっと頑張って止めてみる、だけどできない、怒られる、なんか負の連鎖になって」
17歳まで病気であることを周りに言えなかった。自分の中に別人がいるような感覚だと言う。
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