ウクライナ国防相、ハルキウのように反攻作戦が進むと期待しないで欲しい

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ウクライナのレズニコフ国防相は「現在の反攻作戦がハルキウの時のように進むと期待するのは無理な話だ。だから彼らに過度なプレッシャーを与えず仕事をさせてほしい。そうすれば必ず仕事をやり遂げるだろう」と述べて注目を集めている。

ウクライナ軍の司令官は将校は作戦を練り、機会を伺い、慎重に動くため彼らに過度なプレッシャーを与えず仕事をさせてほしい

ウクライナ軍の反攻作戦が開始(6月5日頃)されてから2週間以上が経過、ザポリージャ方面ではロブコベとプヤティハツキーを、南ドネツク方面ではレヴァドネ、ノヴォダリフカ、ネスクチュネ、ストロジェベ、マカリフカ、ブラホダトネを解放することに成功したものの、ウクライナ軍の前進は予想通りロシア軍の強固な抵抗に直面して「メートル単位の戦い」を強いられている。

ウクライナ国防相、ハルキウのように反攻作戦が進むと期待しないで欲しい

出典:GoogleMap ザポリージャ州の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

マリャル国防次官は反攻作戦の現状について19日「敵が(防衛を)簡単に諦めて引き下がらないことを理解し、非常に厳しい戦いに備えておく必要がある。実際のところコレが今起きている。ウクライナ軍の成功は作戦上の課題があるため、何km前進できたか、どれだけ拠点を解放したかで測るべきではない」と語っていたが、ウクライナのレズニコフ国防相もチェコメディア(Настоящее Время)の取材に「反攻作戦に対する期待感は過剰だ」と述べた。

レズニコフ国防相は「ウクライナ軍の反攻作戦に過剰な期待を抱くのは昨年秋の出来事が関係しており、ハルキウでの作戦は敵にとっても、国際社会にとっても、そしてウクライナ人にとっても予想外の結果で、非常に素早く成功を収めることができた。ロシア人の防衛準備が不足していたためウクライナ人は一瞬でオスキル川まで到達することができたが、逆にヘルソンでの作戦は進捗が鈍かった。これは地形や気象条件など戦場環境が異なっていたためだ」と指摘。

ウクライナ国防相、ハルキウのように反攻作戦が進むと期待しないで欲しい

出典:Telegram経由

さらにレズニコフ国防相は「そのため現在の反攻作戦がハルキウの時のように進むと期待するのは無理な話だ。前線も、地形も、気象条件も全く異なり、ここを守るロシア人には守りを固める時間が十分あって、地雷原の密度は信じられないほどだ。我々は兵士の命に最も大切だと考えているためロシア人が採用した挽き肉機戦術を採用することはない。ウクライナ軍の司令官は将校は作戦を練り、機会を伺い、慎重に動く。だから彼らに過度なプレッシャーを与えず仕事をさせてほしい。そうすれば必ず仕事をやり遂げるだろう」と訴えている。

ハルキウでの作戦が行われた当時、ロシアは動員なしで特別軍事作戦を進めていたため戦力に限りがあり、ハルキウ州の占領地域からウクライナ南部に戦力を移動させてしまったため同地域の戦力密度が低下、防衛ラインの構築も進んでいたとは言い難く、このような要因が「常識を越える進軍速度でオスキル川に到達する」という快挙を実現させたのだが、現在のロシア軍は部分的動員によって戦力密度の問題を解消済みだ。

ウクライナ国防相、ハルキウのように反攻作戦が進むと期待しないで欲しい

出典:GoogleMap 南ドネツクの戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

さらにロシア軍が支配するヘルソン州、ザポリージャ州、ドネツク州、ルハンシク州の占領地域には塹壕、龍の歯、防御施設で構成された陣地が何重にも張り巡らされているため、大規模な水陸両用作戦を実行できる能力でも無い限り、敵の意表を突く作戦実施は不可能に近い。

流出した機密文書でも米諜報機関は「ウクライナ南部地域の兵站ルートに使用されている陸橋(アゾフ海に面した陸上輸送ルート)を遮断するため南下する」と予想、一部の議員に提供された機密資料の中でも「ハルキウやヘルソンほどの成功は見込めない」と指摘、米政府関係者は「陸橋を物理的に遮断するのは難しそうだが、ロシア軍の兵站ルートを脅かすことが出来るかもしれないと期待している」とワシントン・ポスト紙に明かしており、待望な反攻作戦がハルキウのような成功を収めるとは誰も期待していないのが実情だ。

ウクライナ国防相、ハルキウのように反攻作戦が進むと期待しないで欲しい

出典:ウクライナの戦況/管理人作成(クリックで拡大可能)

それでも世論は「今度もハルキウのような成功を収める」と期待しているため、レズニコフ国防相は「全く戦場環境が異なるので劇的な展開はない=反攻作戦の目標を達成するには時間がかかるという意味」と説明して期待感の引き下げを試みているのだろう。

因みにチェコメディアの司会者は「約3週間の反攻作戦での犠牲者や装備の損失は?」とも質問しており、これにレズニコフ国防相は「これは戦争なので当然損失がある。しかし挽き肉機戦術を採用していないためウクライナ軍の損失はロシア軍よりも遥かに少ない。装備損失も同じだ。ロシアのプロパガンダが破壊されたウクライナ軍の装備を沢山提示してきたらOSINTの専門家に相談すればいい。連中は損傷したレオパルト2を様々な角度から撮影して数を捏造するので笑ってしまう」と述べている。

ウクライナ国防相、ハルキウのように反攻作戦が進むと期待しないで欲しい

出典:Telegram経由

回収できたレオパルト2は全て修理中(何輌回収できたのかは明かさなかった)で、ロイターがポーランド人アナリストの話を引用して「まだ反攻作戦向けに準備された12個旅団の内3個旅団しか投入されていない」と報じた件についても「専門家やそれらしき人物が書いた内容にコメントしない」と述べており、F-16の訓練期間についても「我々は驚くべき操縦をマスターする方法を知っているので4ヶ月もあれば十分だ」と言及しているが、技術者には英語を理解できる人間が少ないため機体の整備環境を整えるに時間がかり、国内運用に欠かせないインフラやシェルターの準備も必要になると指摘。

F-16運用の開始時期について「年内はない」と述べているが、これは全てレズニコフ国防相の私見であり「ウクライナ人パイロットの訓練がいつ始まるか、訓練期間はどれぐらいなるのか、機体は誰が提供するのか、いつウクライナに移転されるのかなどの詳細は6月15日に合意されたプログラム内で決定されるため、この決定が出てこないこと正確なことは言えない。もしここで具体的な数字をあげて予想を外せば裏切り者と罵られることになる」と付け加えている。

ウクライナ軍、敵が簡単に諦めて引き下がらないことを理解すべき
ウクライナの反攻作戦、ハルキウやヘルソンほどの成功は見込めない

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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