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4月28日に生まれたスマトラトラの赤ちゃん(5月17日撮影)=東京動物園協会提供
上野動物園(台東区)で4月に26年ぶりに生まれたスマトラトラのメスの赤ちゃんが、本来より早い独り立ちに挑戦している。母トラから威嚇を受けるなど「育児放棄」されたためで、同園も「トラとして生きていくために頑張ってほしい」と温かく見守っている。(竹田迅岐)
【写真】宮崎市フェニックス自然動物園のスマトラトラの雌「ラウト」
赤ちゃんトラは4月28日、母ミンピ(8歳)と父ブラン(10歳)の間に生まれた。同園でのスマトラトラの出産は1997年以来で、3回目だった。
同園によると、初産だったミンピは、出産後しばらくは赤ちゃんトラに授乳していたものの、次第にその様子が見られなくなった。同園はミンピと赤ちゃんトラの同居を続けさせながら、飼育員が「介添え哺乳」を行って親子関係の維持に努めてきた。
しかし、出産から約1か月後の5月25日、ミンピが赤ちゃんトラに対して歯を見せ、うなり声を上げながら威嚇する姿を確認。その3日後には、近づこうとする赤ちゃんトラに前脚を上げて攻撃するそぶりを見せた。同園は「これ以上、同じ空間で生活させるのは危険」と判断し、人工哺育に切り替えることにした。
一般的にスマトラトラの独り立ちは1歳前後とされる。トラであることを忘れさせないため、他のトラとも関わりを持たせようと、今月3日にメスのマニス(16歳)と格子越しに引き合わせた。マニスは赤ちゃんトラに対して鼻を鳴らし、赤ちゃんトラもマニスに近寄っていくような行動を見せたため、今後も定期的に引き合わせていく方針だ。
赤ちゃんトラは食欲もあり、1714グラム(5月17日現在)だった体重も3870グラム(6月20日現在)まで増えた。足取りもしっかりし、よく歩くようになったという。現在のところ、赤ちゃんトラの公開予定はないが、成長の様子は同園の公式ウェブサイトなどで確認できる。
同園教育普及課の大橋直哉課長は「トラとしての生活を送れるよう最大限にサポートしていく。トラの生き方を学びながら元気に育って、将来的には血統をつないでほしい」と話している。
◆スマトラトラ=インドネシアのスマトラ島に生息する。生息数は野生では約300頭まで減り、飼育下でも世界で340頭ほどで、絶滅が危惧されている希少動物。トラの中でも体が小さく、体重は大人のオスで100~140キロ、メスで75~110キロくらい。
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