【令和の争点】安全・安心を守る 治安と自由、どう両立

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 「もしもし、お母さん、タカシじゃけど」

 「あ、タカシ? どうしたん」

 「実は友達が病気になって、お金がいるんよ」

 広島県の60代の女性宅に、離れて住む息子の隆司(仮名)を名乗る男から電話がかかってきた。隆司とはしばらく会っていないが、明らかに声が違う。

 「えー? ちょっと待って。お父さんにかわるわ」

 不審に思った女性は受話器の口を押さえ、夫に手渡した。夫はかまをかける。

 「タカシ、お前、午前中に家に来たじゃないか。なんでその時に、その話をせんかったんじゃ」

 ブチッ、ツー、ツー…。

 電話は切れた。明らかにオレオレ詐欺だった。後日、女性が地域で話を聞いたところ、息子の母校のほかの同窓生の家にも同様の電話がかかっていた。どうやら、高校の同窓生名簿で名前や実家の電話番号といったプライバシーに関わる情報を入手し、わざと広島弁で電話をかけてきたらしい。女性は話す。

 「似たような電話は、最近もかかってくる…」

 親族を装って嘘の電話をかけ現金をだまし取るオレオレ詐欺。被害が目立ち始めたのは平成の半ばごろだった。その後、公的機関や業者を装って封書やメールで架空料金を請求する架空請求詐欺など手口は多様化し、総じて特殊詐欺と呼ばれるようになった。

 警察当局は摘発や抑止に全力を挙げるが、令和の時代になってもなくなる気配はない。被害総額は昨年1年間で363億円。毎日平均約1億円が詐取されている。被害者の多くは高齢者だ。核家族化が進む令和の高齢者。過疎化した地方で子や孫と離れて暮らすケースも多い。その孤独に特殊詐欺はつけ込んでいる。

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