リン・ケリーさんは、飼い犬を守ろうとクマを殴ったものの、かまれて負傷した
(CNN) 米メーン州に住む64の女性が、飼い犬を追いかけてきたクマの顔面を素手で殴り、手をかまれて負傷した。
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メーン州魚類野生生物局によると、同州ポーターに住むリン・ケリーさん(64)が6月30日、自宅の庭で作業をしていたところ、飼い犬がほえ声を上げて森の中に駆け込んだ。
戻って来た犬は1頭のクマに追いかけられていたと、ケリーさんはCNN提携局WMURに語っている。
「私が何度も呼び続けると、犬はようやく走って戻ってきた。そのすぐ後ろにクマがいた」とケリーさん。「クマは私を見つめ、私はクマを見つめた。お互いにおびえていたんだと思う」
州の発表によると、「ケリーさんはクマに正面から立ち向かい、クマが立ち上がると彼女もできる限り背伸びして、クマの鼻を殴った」。クマがケリーさんの右手にかみつき、手首を貫通する傷を負わせたのはその時だった。
殴られたクマはケリーさんの手首を放すと、再び森の中に駆け戻った。
ケリーさんは救急車を呼び、病院に搬送されて手当てを受けた。犬にけがはなかった。
ケリーさんを襲ったクマは、その後目撃されていない。数日前には近所の住宅の庭で小鳥の餌を食べていたといい、同局は捕獲しようとわなを仕掛けている。
同局は住民に対し、もしクマを見かけた場合は距離を保つよう促し、追い詰めたり興奮させたりしてはいけないと強調。犬は非伸縮リードで散歩させ、「犬とクマの間に入ってはいけない」と呼びかけている。
同局によると、メーン州には推定2万4000~3万6000頭のクロクマが生息している。春から夏にかけては、クマが鳥の餌箱を破壊したりごみをあさったりしているなどの通報が増える傾向にある。