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混迷極まるリニア中央新幹線、静岡工区問題。川勝平太静岡県知事がJR東海に「待った」をかけ続けており、全く終わりが見えない。そんな永田町では次の知事選候補者の選定に入っている。そして驚きの人物に対して出馬を期待する声が強まっている。経済アナリストの佐藤健太氏が解説するーー。
側近に裏切られた静岡県・川勝知事
東京・品川―大阪間を1時間強で結ぶリニア中央新幹線構想は、静岡県の川勝平太知事による「待った」で進んでいない。沿線自治体には早期開業に期待する声が渦巻くものの、品川―名古屋間の2027年開業は絶望的だ。「水量が減る」「崩落が起きかねない」などと主張し、孤立する川勝知事。永田町では2025年の次期県知事選をにらみ、「殿のおなり」に期待する声も漏れる。
「事業について沿線自治体のほとんどが賛成、すでに事業が行われていることから、その沿線にある静岡市の市長は、個人としてリニア事業にどのような価値判断を持っていたとしても、行政の責任者としての行政判断はリニア事業に協力すべきであると考えている」。静岡市の難波喬司市長は6月26日、就任後初めての市議会総括質問で改めてリニア推進の立場を表明した。
難波氏は国土交通省出身で、静岡県の副知事や理事を務め、川勝知事の右腕として豊富な知識と経験が評価されてきた人物だ。4月の市長選で当選後は「健全な科学的・工学的根拠に基づく対話が進むことが大事」などと土木専門家の観点からも前向きな発言を繰り返している。
静岡県が主張する水問題は解決しそうだが……
品川―名古屋間は2014年に国が工事実施計画を認可したものの、静岡工区の南アルプストンネルをめぐり静岡県が“ストップ”をかけている。主な理由は、生活用水である大井川の水量減少や生物多様性への影響、工事によって発生する残土の取り扱いだ。県側は建設主体のJR東海にトンネル湧水の全量を戻すよう求めてきた。
これに対し、JR東海は水問題の解決策として大井川上流にある田代ダムの取水抑制案を示し、ダムの取水量を調整して「全量戻し」を目指している。6月からダムを管理する東京電力との協議を開始しており、多くの流域自治体からは評価の声があがる。難波市長も「水利用の問題については田代ダム案である程度前に進むと思う」と歓迎する有力案だ。
ダム活用案が実現すれば、ストップをかけてきた川勝知事の「前提条件」の1つは崩れることになる。他の自然環境や残土の処理についても、難波氏は「発生土は安定性の問題なので、そんなに不確実性が高い問題ではない」と指摘。さらに「南アルプスの生物多様性については国の有識者会議で検討がされているので、その検討結果を待って前に進むということになると思う」と説明する。
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