ポドリャク大統領補佐官と鈴木あづさ支局長(NNNキーウ)
間もなくウクライナ侵攻から500日。反転攻勢、プリコジン氏の反乱など緊迫した場面が続く中、ゼレンスキー大統領の最側近、ポドリャク大統領府顧問がNNNの単独インタビューに応じました。今、国際社会や日本に望むことは? キーマンが語った内容を全文で掲載します。(前・中・後編の後編)
<ポドリャク氏 プロフィール>
ウクライナ大統領府顧問。侵攻直後にゼレンスキー大統領が国民向けて発信した「自撮り動画」では大統領のすぐ隣に映っていた、政権を支える「最側近」。戦況や民間人の被害などについてもSNSを駆使し、内外へ発信を続けている。
■ロシアを恐れるのを止めるべき
――(戦争は)いつ終わるか?
なるべく早くですが、実際の終わりは歴史が求めている終わり方のほかになりません。それを促すのは別の話で、数学的な計算の話です。日本人は数学が好きだと知っています。計算とはかなり簡単なことです。
ロシアはタンクを2万台持っているとすると、ウクライナは我が国の兵士たちの準備のレベルを考慮して、10台ではなく、少なくとも1000台がなければならない。ロシアは飛行機を500台持っているとすると、我々は100台を持つべきだが、対等のものでなければならない、現代のチャレンジに対応できるものでなければならない。
計算を分かっていれば、我々の構えていること、ウクライナのモラルな状態を分かっていれば早く終わらせることができる。問題はすでにウクライナではなく、他の国々が言い訳を探したりするのを止めることです。皆さんが武器を十分に提供しないのはどうしてだろう? ロシアがカホフカダムを爆発させたことに反応しないのはどうしてだろう? ロシアがザポリージャ原子発電所に地雷を敷設したことに反応しないのはどうしでだろう?…などです。
なぜなら、ロシアを恐れるのを止めるべきだからです。ロシアを恐れなくなった瞬間に、次の3つのステップが行われます。
1つめは、ウクライナにどんな武器をいつ渡すのかが初めて見直される。そうすると余計な手続きがなくなります。
2つめはロシアの戦法が見直されます。
3つ目の要素は、集めて座ってなんとか話し合って、戦争を我々の子供たちに引き継がれるようにしましょう…ということもなくなることです。すべてを早く終わらせることができるが、そのために数学的に計算されている適切なツールが必要です。
世界は、民主主義の世界は、自分の力を信じてほしい。言葉ではなく、力を。ウクライナは民主主義のために適切な代償を払わなければならないことを示しています。