野党は参院選の終盤になっても予想獲得議席が中盤情勢とほぼ変わらず、与党の勢いに歯止めをかけられていない。一方、東京(改選数6)や大阪(同4)などの複数区では、野党間の生き残りをかけたつばぜり合いが激化している。
終盤情勢によると、立憲民主党は改選9議席から18~28議席への議席増が予想される。これは中盤情勢の17~29議席と同規模で、国民民主党、共産党、日本維新の会など他の野党も同様の傾向を示している。
複数区では、優位に立つ与党候補の背後で、複数の野党候補が「最終切符」をかけた攻防を展開するパターンが目立つ。
自民党の現職が先行する静岡(改選数2)は、最後の議席をかけて国民現職と立民新人の戦いが熾烈を極めている。
東京は与党の3候補に加え、共産現職、立民の新人2人、維新新人らが絡む混戦状態が続く。野党では共産が優位に立つが、立民の2候補と維新候補は当落線上から抜け出せていない。
大阪は維新の現新2候補と自民現職らが先行し、共産現職と立民新人らが追う展開となっている。維新以外の野党候補が共倒れになる可能性もゼロではない。
立民の幹部は「3連休で明らかに空気が変わった。街頭演説に立ち止まる人が増えた」と強気に語る。ただ、優勢のはずの東北の改選1人区を問うと、選挙戦全体の勢いに欠ける現状を反映するかのように「横一線。正直わからない」と慎重な言い回しに終始した。(内藤慎二)