なかよしコミックス『ミラクル☆ガールズ』(講談社)
双子が誕生する確率は1%前後だといわれている。100組に1組と考えるとなかなかにレアな存在だが、世の中には『タッチ』など、双子を題材にした漫画は意外にも多く存在する。
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大半は、双子キャラは主人公ではなくサイドキャラで、そのそっくりな外見や双子ゆえの悩みで物語に華を添えることが多いが、こと少女漫画の「双子が主人公」の漫画においては、双子ならではの「絆」を感じるエピソードが描かれることが多い。
双子であるからこそ心が通じ合っており、中には不思議な力を持つものも……。今回は少女漫画の「主人公が双子」の作品を振り返りたい。
まずは、1990年から『なかよし』(講談社)にて連載されていた秋元奈美氏原作の『ミラクル☆ガールズ』。超能力を持った双子の姉妹、松永ともみと松永みかげが主人公だ。
ともみはしっかり者で料理上手でスポーツ万能だが勉強は苦手なのに対し、みかげは喜怒哀楽が激しく、勉強は学年トップだが運動と料理は苦手。髪型や服装の好み、性格もそれぞれ異なっていて、見た目はそっくりながら、それぞれの個性ははっきりしている。
そんな2人はテレポートやテレパシー、テレキネシスなどの超能力を使うことができる。学校に遅刻しそうになったらテレポートをし、遠く離れていてもテレパシーで会話ができる。この能力は2人一緒でないと使えないが、ただの双子以上に結びつきを感じるものだ。
皆が一度は憧れた、双子ならではの「入れ替わって学校に行く」も1話にして披露。ともみは、みかげになり変わって参加した体育祭で好きな男の子ができるという、少女漫画らしいロマンチックな出来事も描かれた。
最終的には同作は、超能力をめぐる陰謀や、ヨーロッパの小国の王位継承問題など、話のスケールがどんどん大きくなっていく。
当時、同作は『美少女戦士セーラームーン』と人気を二分する『なかよし』の看板作品で、1993年にはアニメ化もされていたので、記憶に残っている人も多いのではないだろうか。