[ad_1]
イスラエルのメルカバ売却は欧州と南米で「欧州の売却先はキプロスだ」と報じてられていたが、もう1ヶ国の売却先は南米ではなく北アフリカのモロッコで、ウクライナに提供したT-72Bの埋戻しに対応したものらしい。
安全保障分野で急速に接近しているモロッコへのメルカバ売却は実現性が高く、なかなか説得力のある話だ
イスラエルが開発した主力戦車のメルカバシリーズは「乗員の生存性」を最優先にした独特な設計思想が特徴で、これまで輸出の機会(2014年にメルカバMk.4の海外輸出が成功したと発表しているが詳細は非公開)に恵まれてこなかったが、イスラエルメディアのYnetは先月15日「ロシア軍によるウクライナ侵攻で伝統的な陸上装備への需要が高まり、保管されていた旧式のメルカバが売却されることになった」と報じて注目を集めた。
今回売却されるメルカバは保管されていたメルカバMk.2とメルカバMk.3で、欧州と南米の国と売却で合意が成立し、国防当局者は「エンジンが米国製(テレダイン・コンチネンタル製)なので契約締結には米国防総省の承認が必要になる」と明かし、イスラエルメディアのHaaretz紙は22日「欧州の売却先はキプロスだ」と報じていたが、もう1ヶ国の売却先は南米ではなく北アフリカのモロッコだったらしい。
フランスから独立したモロッコとアルジェリアは政治体制の相違(立憲君主制と共和国制)、モロッコが領有権を主張する西サハラの独立を掲げたポリサリオ戦線へのアルジェリア支援、西サハラ領有承認と引き換えにパレスチナと対立関係にあるイスラエルとの国交樹立など両国関係には幾つもの火種が転がっており、アルジェリアは「モロッコが敵対的な行動を続けている」という理由で2021年8月に国交断絶を通告した。
アルジェリアはモロッコのF-16V導入に対抗するためSu-57を14機導入(時期未定)すると発表、これに対抗するためモロッコ国王のムハンマド6世は軍事協定を締結したイスラエルに「モロッコへのF-35A輸出を実現させるため米国を説得してほしい」と依頼したと噂されており、最新の防空システム「Barak MX」もイスラエルから購入している。
つまり安全保障分野で急速に接近しているモロッコへのメルカバ売却は実現性が高く、この取引はウクライナに提供したT-72B(90輌?)の埋戻し需要に対応したものとも報じられているため、なかなか説得力のある話だ。
イスラエルメディア、メルカバが売却される欧州の国はキプロス
イスラエル、メルカバMk.2とメルカバMk.3を欧州と南米に売却か
イスラエル、2022年の武器輸出額が過去最大の125.5億ドルを記録
米蘭がウクライナに引き渡す近代化されたT-72B、オリジナルの提供はモロッコか
イスラエル、多層防空システムBarak MXを売却することでモロッコと合意
機密と影響力のジレンマ、モロッコがF-35A導入のためイスラエルに米国説得を要請
※アイキャッチ画像の出典:Michael Mass/CC BY-SA 3.0
[ad_2]
Source link