23日、ウクライナ南部オデーサで、ロシア軍の攻撃を受けた大聖堂=ロイター
ウクライナ空軍などによると、ロシア軍は23日、穀物の輸出拠点となっているウクライナ南部の港湾都市オデーサをミサイル19発で攻撃し、大聖堂などの歴史的建物が被害を受けた。昨年2月にロシアがウクライナ侵略を開始してから24日で17か月となるが、双方の激しい攻防が続いている。
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ウクライナ空軍は、露軍が発射したミサイルのうち9発を撃墜した。オデーサ州知事によると、集合住宅6棟も被害を受け、1人が死亡、19人が負傷した。大聖堂はロシア正教会の傘下にある。
ミサイル攻撃を受けたオデーサの歴史地区は今年1月、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は23日、SNSで「ロシアのテロに対する報復が必ずある」と非難した。ロシアは黒海経由でのウクライナ産穀物の輸出合意からの離脱を17日に宣言して以降、連日オデーサを含む南部をミサイルで攻撃している。
(写真:読売新聞)
一方、ロシアが2014年に一方的に併合した南部クリミアの露側「首長」は22日、ウクライナ軍がクリミア中部にある露軍の弾薬庫を無人機で攻撃したと発表した。
23日、サンクトペテルブルクで会談するロシアのプーチン大統領(右)とベラルーシのルカシェンコ大統領=ロイター
ロシアのプーチン大統領は23日、露西部サンクトペテルブルクで、ロシアの侵略に協力している隣国ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と会談した。
露大統領府によると、ルカシェンコ氏は会談冒頭に地図を持ち出し、ポーランド軍がベラルーシとの国境付近に部隊を集結させていると主張した。
その上で、6月24日に露国内で反乱を起こし、ベラルーシが受け入れている露民間軍事会社「ワグネル」戦闘員について、「ポーランドに行きたがっている」と述べた。北大西洋条約機構(NATO)内で対露強硬派のポーランドをけん制した発言とみられる。