河野太郎外相は19日午前、いわゆる徴用工訴訟をめぐり、日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置に韓国政府が応じなかったことを受け、南官杓(ナム・グァンピョ)駐日韓国大使を外務省に呼び出した。河野氏は「国際法違反の状態をこれ以上野放しにせず、直ちに是正措置を取ることを強く求める」と韓国側の対応を批判した。
南氏はこれに対し、韓国政府が日韓両国の企業の出資による問題解決案を日本側に提示したことに触れ、「韓国政府は両国関係を損なわせることなく補償が終結されるよう努力している」と反論。河野氏は「韓国側の提案は国際法違反の状況を是正するものではないと以前に伝えている。それを知らないふりをするのは極めて無礼だ」と抗議した。
会談後、河野氏は「日本企業に実害が生じるようなことが万が一起これば、必要な措置を適切に取ることになる」と述べ、韓国政府による対応がなければ対抗措置も辞さない構えを示した。
「韓国側によって引き起こされた厳しい日韓関係の現状に鑑(かんが)み、韓国に対して必要な措置を講じる」との外相談話も発表した。
韓国政府は、日本政府が請求権協定に基づき5月20日に求めた仲裁委員の選任に応じず、3人の委員全員の指名を第三国に委ねる形式の仲裁委員会設置にも今月18日の期限までに回答を示さなかった。