容疑者が女性を連れ去る様子(7月31日付G1サイトの記事の一部)
無責任の連鎖が引き起こした悲劇――ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市で7月29日晩、ミネイロンサッカー場で有名パゴッジ歌手チアギーニョのコンサートを観た帰りに、いくつもの不幸な無責任が重なった結果、泥酔状態の22歳の女性が見ず知らずの男性にレイプされる事件が起きた。7月31日付G1サイトなどが報じている。
彼女はコンサートの最中にアルコールを大量に摂取して泥酔状態になっていた。深夜、ショー終了後に友人らは配車アプリを呼んで、自宅にいる彼女の兄弟に連絡を取り、彼女の帰りを待つように伝えた。午前3時頃、車が自宅に到着して、遠隔でその車の足取りを確認していた友人らは安心していた。
ところが、アプリの運転手は被害者の兄弟に電話とインターホンで何度も連絡を試みたが応答が無く、彼女を家の前に置いて走り去ってしまった。自宅の兄弟はぐっすりと眠り込んでしまい、電話にもインターホンにも気づかなかった。
被害者は意識を失ったままで、自宅前でしゃがみ込んだ状態で放置されていた。そこをたまたま容疑者が通りかかり、彼女に意識がないことが分かると、肩に担ぎ上げて現場近くのサッカー場に連れて行って性的暴行を加えた。
朝になって彼女は体の下に毛布が掛けられ、ズボンが下ろされている状態のままサッカー場で目覚め、不審に思いながら自宅に帰った。被害者は虐待を受けたことを覚えていない。
だが彼女は兄弟に状況を話し、軍警察に通報。市警が調書を作り捜査、病院で検査を受けた結果、性的暴行を受けたことが確認された。連れ去る様子を複数の防犯カメラが捉えていたため、犯人はすぐに特定され、7月30日の早朝、47歳の男が強姦容疑で現行犯逮捕された。
31日、容疑者は刑務所に送られ司法当局の処分を受けることになった。ベロ・オリゾンテ市の性的暴力対策専門チームによる事実関係を解明するための捜査が続けられている。
泥酔した女性を送り出した友人、爆睡してしまった兄弟、置き去りにした配車アプリの運転手にも警察は事情を聞いているという。ブラジルでは油断も隙もない。