バービー騒動「一歩立ち止まって想像力を」 デーブ・スペクターさん

[ad_1]

デーブ・スペクターさん=2018年8月9日午後4時16分、東京都千代田区、池永牧子撮影

【写真】被爆死した13歳少女 最期に見せた笑顔と遺した日記

      ◇ 

 ポップなコメディー映画「バービー」と、原爆の開発者を描いたシリアスな歴史映画「オッペンハイマー」。種類の異なる話題作が、米国で同日公開となった。これが事の発端です。

 コロナ禍でオンラインでの動画視聴が広まり、映画館に行く人が減りました。落ち込んだ収入を回復させるため、米国の映画興行はいま「延命治療中」なんですよ。加えて、映画俳優や脚本家の組合がストライキに入っていて、宣伝活動が制限されている。

 そんな中、インパクトのある作品二つが同時に公開される。映画好きの人や映画産業で働く人は、うれしくて盛り上がっちゃったんですね。「2本立て」で見ようという運動「Barbenheimer(バーベンハイマー)」(「Barbie〈バービー〉」と「Oppenheimer〈オッペンハイマー〉」を組み合わせた造語)にまで発展しました。

 勢いづいたファンたちが、勝手に宣伝用の画像を加工し、Xに投稿した。主人公のバービーが、爆発を背景に笑っていたり、キノコ雲のような髪形をしていたり。こうした画像に対し、映画「バービー」の米国の公式アカウントが「記憶に残る夏になる」「ケン(バービーの恋人)がスタイリストです」と肯定するような返信を投稿しました。つい、おもしろおかしく乗っかっちゃったんでしょうね。

 画像を加工したファンも、便乗した公式アカウントも、不謹慎であることは間違いない。おそらく悪気はなく、思いつきでやったのでしょう。正直、なんにも考えていないと思いますよ。落ち着いて考えれば、投稿を見た広島、長崎の人たちがどう感じるか、日本人にとって原爆投下はどんな歴史か、想像できたかもしれません。

 いまはスマートフォンやパソコンで、簡単に画像や映像を加工できる時代。考えなしに作られ、人を傷つけるものがインターネット上にあふれています。一歩立ち止まって想像力を働かせられるかどうか。今回、批判を浴びた制作者たちは一度、広島、長崎を訪れてみてほしいです。(聞き手・花房吾早子)

朝日新聞社

[ad_2]

Source link