大気汚染防止技術を提供するスイスのIQAirのデータで、インドネシアの首都ジャカルタ(写真)が世界で最も大気汚染の深刻な都市となった。(2023年 ロイター/Willy Kurniawan)
[ジャカルタ 9日 ロイター] – 大気汚染防止技術を提供するスイスのIQAirのデータで、インドネシアの首都ジャカルタが世界で最も大気汚染の深刻な都市となった。ジャカルタは5月以降に汚染が最も深刻な10位以内に常に入っていた。
IQAirによると、人口が1000万人を超えるジャカルタはほぼ毎日、大気汚染が不健康な水準になっている。
ジャカルタ中心部でロイターテレビの取材に応じたある住民は、大気汚染の悪化が自分の子どもたちの健康を脅かしていると嘆き「とても多くの子供たちがせきや風邪といった同じような訴えや症状で体調を崩している」と話した。
ジャカルタの住民は慢性的な交通渋滞や工場からのばい煙、石炭火力発電所からの排出による大気汚染に長い間不満を持ってきた。不満を抱く住民の一部は2021年、政府に大気汚染対策を求める民事訴訟を起こして勝訴した。
大気の質に関わるアプリを手がけるナファス・インドネシアの幹部は汚染レベルが悪化の一途をたどっていると指摘した。
ジョコ・ウィドド大統領は8日に報道陣に対し、ジャカルタの公害問題について質問されると首都をジャカルタからボルネオ島のヌサンタラに移すことが解決策だと語った。
インドネシアは整備を進めているヌサンタラに首都を来年移転する計画。公務員や軍人、警官ら1万6000人以上がジャカルタから移る予定だ。