サウジアラビアが要請したGCAPへの参加、英伊は前向き、日本は反対

[ad_1]

サウジアラビアのサルマン国防相は今年3月「テンペスト・プログラム参加に関する意向表明書に署名した」と明かしていたが、Financial Times紙は「サウジアラビアは正式なパートナーしてGCAPに参加したいと英国、イタリア、日本に働きかけている」と報じている。

英国とイタリアがサウジアラビアのGCAP参加に前向きなのは「巨額の資金が動くサウジアラビア市場で生き残りを図りたい」という意味

サウジアラビアのハリド・ビン・サルマン国防相は今年3月、英国との新しい軍事協定に署名後「将来戦闘機システムの共同生産と研究開発プロジェクトを含む包括的なパートナーシップを通じて『Future Combat Air System program(FCASプログラム)』に参加する文書(意向表明書=SOI)にも署名した」と発表。

サルマン国防相は「GCAP」ではなく「FCAS」という語句を使用しているため、海外メディアは「サウジアラビアは英国主導のテンペスト・プログラムに参加することなった」と報じたが、英国防省は「サウジアラビアはFCASプログラムに参加しない。両国は戦闘機分野の協力関係を強化するため実現可能な協力範囲を検討し、両国の繁栄を促進するため『より緊密な産業協力』を推し進めることを確認しただけ」と主張して報道内容を否定。

しかし「サウジアラビアは正式なパートナーしてGCAPに参加したいと英国、イタリア、日本に働きかけている」と報じられている。

サウジアラビアが要請したGCAPへの参加、英伊は前向き、日本は反対

出典:英国防省 FCAS(テンペスト)のイメージ

Financial Times紙は11日「英国とイタリアはサウジアラビアの要求に対して前向きだが、日本はサウジアラビアの参加に断固反対しているためGCAPの枠組みに緊張をもたらしている。英国と日本の関係者は『ここ数週間の間にGCAPの枠組みを3ヶ国から4ヶ国に拡大する動きが急速に強まっている』と明かしており、サルマン皇太子はジェッダを訪問した岸田首相にGCAP参加を直接を働きかけた」と報じており、サウジアラビアは多額の開発資金を提供する代わりに開発した技術へのアクセスを要求しているらしい。

英国の国防当局者は「サウジアラビアとの関係は戦略的パートナーシップの一つであり、我々の戦闘機計画においてサウジアラビアは重要なパートナーだ。出来るだけ早く(サウジアラビアのGCAP参加が)実現するよう取り組んでいる」と述べているが、日本は「サウジアラビアの参加を認めると進めている武器輸出の規制緩和議論が複雑になり、3ヶ国間の交渉が4ヶ国間の交渉になると開発スケジュールにも影響が出て『新型戦闘機を2035年まに配備する』という目標に遅れが出るかもしれない」と懸念している。

サウジアラビアが要請したGCAPへの参加、英伊は前向き、日本は反対

出典:防衛省 次期戦闘機のイメージ

因みに産業構造の非石油を図るサウジアラビアは「Saudi Vision 2030」を掲げており、巨額のオイルマネーで装備を買い漁っていた方針にも大きな変化が生じ、今後は自立した装備品のエコシステム確立のため国防予算の大半を海外ではなく国内に投資(国防支出の50%)する方針で、サウジアラビアの装備需要に海外勢が食い込むためには「完成品を輸出する」というやり方を改め「技術や生産ノウハウを移転して現地で製造する」というやり方に切り替えなければ生き残れない。

つまり英国とイタリアがサウジアラビアのGCAP参加に前向きなのは「巨額の資金が動くサウジアラビア市場で生き残りを図りたい」という意味で、恐らく国際共同開発や武器輸出に乗り出したばかりの日本にとっては理解しにくい部分だろう。

利害が一致した英国とサウジ、戦闘機分野における協力関係の強化を約束
サウジアラビア、英国主導のFCASプログラム=テンペスト開発に参加

 

※アイキャッチ画像の出典:防衛省 次期戦闘機のイメージ

[ad_2]

Source link