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(写真:朝鮮日報日本語版) ▲セマングムのジャンボリー会場に設置されたシャワー施設とトイレ/ニュース1
「2023世界スカウトジャンボリー大会」は今月11日にKPOPコンサートを最後に幕を下ろした。世界153カ国からやって来た4万3000人の参加者からは「とても満足した」との評価も相次いだ。しかしこの最後の盛り上がりにもかかわらず、今回のジャンボリーは全羅北道扶安郡セマングム会場のずさんな施設管理や不十分な暑さ対策で序盤は困難な状況が続いた。
【写真】台風6号で水浸しになった会場
総括計画とその進行に責任を持つジャンボリー組織委員会は韓国女性家族部、行政安全部、文化体育観光部(いずれも省に相当)の長官、韓国スカウト連盟総裁、国会スカウト連盟所属の野党・共に民主党議員が共同委員長となった。そのため行事を誘致した全羅北道からは「組織委員会の責任を全羅北道に押し付けている」など不満の声が相次いでいる。全羅北道知事が所属する共に民主党も首相の辞任を要求するなど攻勢を強めている。
しかし本紙の取材によると、大会の実務を担当した115人の組織委員会事務局のうち53人(46%)が全羅北道庁や全羅北道各地の市や郡から出向した公務員だった。参加者からの不満が最も多かったトイレとシャワー施設の管理、また上下水道や排水設備を担当する施設管理本部の職員8人も全員が全羅北道などから出向した地方公務員だった。施設管理本部は暑さ対策用の施設設置も担当するなど、同本部だけで数百億ウォン(数十億円)の予算を執行した。
ジャンボリー会場は従来のセマングム埋立地ではなく、新たに干潟を埋め立てた土地に造成された。しかも野営地の埋立工事は2020年と開始時期が遅く、大会までわずか8カ月の昨年12月に完了した。以前からの埋立地を利用していれば事前に木を植えることも可能で、また排水設備の整備などもさほど難しくなかったはずだが、実際に使用された会場は短期間に造成された新しい埋立地だったため、茂みもない泥の上に野営場が設置された。これも全羅北道がセマングムの埋立予算を獲得するためだったとの疑惑が浮上している。
韓悳洙(ハン・ドクス)首相は組織委員会から「トイレなどについて問題はない」との報告を受けていた。ところが今月4日に韓首相がジャンボリー会場を視察したところ、不潔なトイレに驚き自ら清掃を行った。ある韓国政府関係者は「トイレの管理やごみの清掃は全羅北道の公務員が担当するはずだが、最も基本的な業務がこれほどずさんだっとは知らなかった」「組織委員会に地方公務員が多かったため、女性家族部から出向した事務総長の指示がしっかりと実行されなかったようだ」と指摘した。大会組織委員長は全羅北道の金寛永(キム・グァンヨン)知事だったが、組織委の定款によると、予算と主要事業計画を承認する権限を持つのは執行委員会だ。つまり形としては組織委員会の責任だが、実質的な権限は全羅北道が握っていた。そのためずさんな施設管理の一次的な責任も全羅北道にあると指摘されている。
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