安倍首相「国政選6連勝」の軌跡 安定の得票、異例の長期政権


 安倍晋三首相は21日投開票の参院選で、自民党総裁として前回の平成28年参院選の56議席を上回る57議席を獲得し、平成から令和にかけて国政選挙6連勝を果たした。その軌跡を振り返る。

 最初の勝利は野党・自民党の総裁として臨んだ24年12月の衆院選だった。自民党は「日本を、取り戻す。」とのキャッチフレーズを掲げ294議席で大勝した。首相が「悪夢のような時代」とする旧民主党政権から3年3カ月ぶりに政権を奪還し、自身も5年3カ月ぶりに首相に復帰した。

 しかし、安定への道はまだ半ばだった。自民、公明両党の連立政権は参院では多数派ではなく、衆参のねじれが生じていた。これを解消したのが、第2次安倍政権後、首相として臨んだ最初の国政選挙である25年参院選だ。24年衆院選と同じキャッチフレーズで自民は65議席(改選数121)を獲得し、衆参両院での多数派を「取り戻」した。

 消費税率は26年4月に5%から8%に引き上げられた。首相は同年11月、27年10月に予定していた10%への引き上げを1年半延期すると表明。その判断の評価を問うとして初めて衆院解散を断行した。結果は291議席の大勝だった。

 28年参院選は主要野党が32の改選1人区全てで候補者を一本化して対抗した。首相は消費税率10%への引き上げを再び2年半延期して勝負に臨み、自民は1人区で21勝するなどしてまたも勝利。自公に憲法改正に前向きな党などを加えた「改憲勢力」が衆参両院で3分の2を超えた。

 首相は29年9月に消費税率の引き上げ分の使途変更などを表明して再び衆院を解散した。衆院選直前に発足した希望の党が台風の目となったが惨敗。自民は284議席を得た。

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