子育て中の働くママが発達障害の子に向き合う日々

母と息子の写真

コミュニケーションの壁に立ち向かう

東京都在住の48歳の女性は、自閉スペクトラム症(ASD)と診断された長男(10歳)のために頻繁に学校から呼び出される日々を送っていました。この悩ましい状況にも関わらず、女性は正社員として働き続け、時間をやりくりしてきました。そんな彼女が働く理由や必要な支援についてお話ししました。

子供の行動には理由がある

女性の長男は、ASDによる多動傾向があり、気持ちの切り替えが難しいという特性があります。彼は突発的な行動が多く、イライラしやすいのです。友達との交流を望む気持ちは強いのに、コミュニケーションが上手く取れず、不安や混乱が怒りとなって現れることもしばしばです。特に3年生の時には、担任教師やクラスメートとの相性が悪く、怒りが制御できなくなり、長時間にわたって暴れてしまうこともありました。

反抗やトラブルの連鎖

女性は映像制作の会社で長年正社員として働いてきました。夫(51歳)は仕事の都合上、子育てにあまり関与できていませんでした。子供の発達について心配を抱き始めたのは2歳の頃でした。ある保育園の運動会では、他の子供たちが流行の曲に合わせて踊っている中、彼だけがアンパンマンのダンスをしていたのです。ただ、未就学児の検診では問題がなかったため、女性は彼が自分のペースで成長していると思っていました。

しかし、彼が気持ちの切り替えが難しい子であることを考慮し、引っ越し先に連れて行って環境に慣れるように努めました。しかし、引っ越した後、彼は以前の家に戻りたがって泣き叫びました。以前の家では近くに東急電鉄の電車がたくさん通っており、彼が大好きだったので、「東急に戻りたい!」と何度も言っていました。

新しい保育施設でも、最初から他の子に噛みついたり、昼食を一切食べなかったりするトラブルが頻発しました。その結果、慣らし保育の期間を経ても、「うちでは預かれません」と断られることになりました。新しい保育施設が見つかるまで、女性は会社を休まざるを得ませんでした。別の保育施設に入れることができたものの、階段の踊り場で友達を押したり、おやつの順番に文句を言って暴れたりと、トラブルは絶えませんでした。彼が登園を嫌がり、10分以上泣き続けることも珍しくありませんでした。そのたびに女性は会社に遅刻したり、休んだりしなければなりませんでした。

このような厳しい状況でありながらも、女性は自分の仕事を大切にし続け、頑張って子育てと仕事の両立を図っています。

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この記事の情報元: 日本ニュース24時間