【改憲再出発(下)】カギ握る国民民主 首相が期待


 「連日、『国民民主』の名前に言及してくれているが、まるでビーム(熱光線)だね。強くて倒れそうだよ」

 国民民主党の幹部は23日、安倍晋三首相から憲法改正の“パートナー”として期待されている現状について苦笑いを浮かべた。ただ、改憲論議には積極的に応じる意向を示し、まんざらでもない様子だ。

 参院選で、自民、公明両党に日本維新の会を含めた憲法改正に前向きな「改憲勢力」は81議席の獲得にとどまり、憲法改正の国会発議に必要な3分の2(非改選と合わせて164議席)には4議席届かなかった。

 非改選を含めると参院の国民は21議席に及ぶ。改憲勢力を補完するには十分な規模で、首相は22日の記者会見で「国民民主の中に憲法改正を議論すべきだと考える人もたくさんいる」と期待感を示した。

 自民にとって今回の改選は、大勝した6年前の当選者が対象だった。改憲勢力が一定数減ることを覚悟していた首相は、与野党を問わず、憲法改正に前向きな政党の結集を期待し、選挙前から「維新と国民が統一会派を結成してほしい」と漏らしていた。

 首相に近い関係者は公示直前の6月下旬、「国民や維新との閣外協力」について意見を交わした上で、「国民に9条改正案を用意させ、自民はそれに乗ればいい」と提案した。それに呼応するかのように、首相は22日の記者会見で憲法改正について「自民案だけにとらわれず柔軟に議論していく」と言及した。

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