欧州のガス貯蔵施設、冬季に向けて満杯に、専門家が警鐘を鳴らす

冬の暖房シーズンを前に、ガス貯蔵施設は満杯に

欧州のガス貯蔵施設は、冬の暖房シーズンを前に、ほぼ満杯になっていることが最新のデータによって明らかになりました。

欧州のほとんどの国では、貯蔵率がすでに90%に達しています。スペインは100%、英国は98%、ドイツは92%です。

欧州連合(EU)の取り組み

欧州連合(EU)全体では、平均的に貯蔵率は91.05%となっています。EUは、ロシア産エネルギーへの依存から脱却しようとしています。

EUは、北半球の冬季にガスの供給不足を避けるため、11月1日までに貯蔵率を90%にする目標を掲げていました。

EUのフォンデアライエン欧州委員長は、SNSへの投稿で、供給確保の取り組みが予定よりも早く進んでいると明らかにしています。

専門家の警告

専門家からは、予想以上に寒い冬や世界的な供給の混乱がEUのエネルギー安全保障に影響を与える可能性があると警告する声も出ています。

コンサルティング会社ユーラシア・グループによれば、今年から来年にかけての冬季の需要のピーク時について、欧州で天然ガスが不足するリスクは小さく、ロシアからの供給がわずかだったりなかったりしても、深刻なガス不足が起こる可能性は10%にとどまると述べています。

ユーラシア・グループは、政府や供給業者、消費者がうまく協調したことを指摘しており、新たな供給源へのアクセスや、消費の削減、代替手段のない地域や部門への利用可能なガスの供給を挙げています。

スペイン・バルセロナにあるガス貯蔵施設

Source: 日本ニュース24時間