クピャンスク、スバトボ、リマンの戦い、ロシア軍は何も成功を収めていない

ロシアによるウクライナ東部の攻撃、成功なし

ウクライナのマリャル国防次官は「過去2週間の間にクピャンスク~リマン方面の戦闘が激化したものの敵は何も成功を収めていない」と明かし、特にクピャンスクでの前進を裏付ける視覚的証拠は「0」に近いため、成功していないという主張は正しいかもしれない。

ロシアの情報には注意が必要

ウクライナ東部戦線(クピャンスク方面、スバトボ方面、リマン方面)の状況は視覚的証拠が少なすぎて良く分かっておらず、ウクライナ軍も戦況を大雑把にしか提供しないため、観測者の大半は主にロシア人の報告に基づいて同方面の戦況を推測しているが、ウクライナのマリャル国防次官は「過去2週間の間にクピャンスク~リマン方面の戦闘が激化したものの敵は何も成功を収めていない」と明かした。

クピャンスク周辺の戦況
Image Source: 日本ニュース24時間

ロシア人の報告に基づくクピャンスク方面の戦況は上記の通りで、ロシア軍はライマン・パーシイとヴィルシャナからシンキフカを制圧するため南下しており「シンキフカ集落内の大半はグレーゾーンになっているものの集落の南エリアはウクライナ軍が保持している」と言うのが大方の評価だが、マリャル国防次官はクピャンスク方面について「ロシア軍がシンキフカやペトロパブロフカの東に前進を試みたが、ここでの戦闘は全て敵の敗北で終わって前進できなかった」と説明しています。

また、クピャンスクでは砲撃も激化しており、20日にはクピャンスク市内が一日中砲撃に晒され、市民の家屋や自動車が破損し、多くの負傷者が出たと報告されています。

クピャンスク周辺の戦況
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この戦況図は2023年1月1日から8月23日までの視覚的証拠を表示しており、他の戦線と比べて視覚的証拠の数が圧倒的に少ないことがわかります。しかも、ロシア人の主張を裏付ける視覚的証拠は「0」であり、グレーゾーンが広がっているかどうかについても疑問が残ります。これまでの経験から言えば、何らかの前進があった場合には必ず視覚的証拠が登場するはずです。したがって、ロシア軍が前進していないという主張には一定の信ぴょう性があります。

出典:Русской весны
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ただし、ロシア人の報告には嘘(情報戦略上の目的のための偽情報)が含まれていることもあります。例えば、シンキフカに関しては2月に「ロシア軍が制圧した」という情報が拡散したものの、結局はフェイクであり、最近も別の集落の映像を「シンキフカの集落でロシア軍が前進している」と主張していました。

また、スバトボ方面の攻撃も最初は大々的に報告されましたが、実際にはウクライナ軍の反撃によってロシア軍は押し戻され、確保できたのはライホロトカの対岸にあるセルヒフカのみでした。クレミンナ周辺の戦いも続いていますが、ロシア軍の突破は失敗し、決定的な動きはありません。

スバトボ周辺の戦況
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ロシア人はウクライナ東部の状況を大げさに報告する傾向があります。しかし、彼らが提供する情報や視覚的証拠は我々が現地の状況を知る上で貴重な情報です。そのため、真実と嘘を見極めながら情報を受け取る必要があります。

リマン方面については、クレミンナ周辺の森林地帯や農地を巡る戦闘が続いています。ロシア軍によるトルスケ方向への突破は失敗し、スピルネ方面への突破も多くの損失を出して終わりました。現在は決定的な動きがない状態が続いています。

クレミンナ周辺の戦況
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両軍とも東部戦線に10万以上の兵力を投入していますが、まだ決定的な動きはなく、戦闘は局地的に続いています。クピャンスク方面ではロシア軍の攻勢が強化されていますが、大規模な突破は発生していません。クレミンナ周辺の戦いも続いており、ウクライナ軍は頑強に抵抗しています。

ろしあによるシンキフカ解放は嘘であり、公開された映像も別の集落のものであることに注意が必要です。クピャンスク方面の戦いやスバトボ方面の攻勢についても、ウクライナ軍の戦果はまだ確認されていません。

リマン方面における戦況は現在も継続しており、両軍の攻防が続いています。しかし、決定的な動きはまだ見られず、戦いは停滞している状態です。

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