ロシア航空宇宙軍の司令官、プリゴジン氏が死亡する直前…「血の粛清」が始まる

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プリゴジン氏、武装反乱のわずか2カ月後に航空機墜落で死亡

ロシアの民間軍事会社である「ワグネル」の代表であるエフゲニー・プリゴジン氏は、6月末に武装反乱を起こしましたが、わずか1日で中止されました。その後、彼は行方不明になりました。しかし、最近、彼が謎の航空機墜落で死亡したことが確認されました。

航空機墜落の正確な原因はまだ分かっていませんが、ロシアの大統領であるウラジーミル・プーチン氏が、反乱のわずか2カ月後に一連の粛清作業を開始したことが原因である可能性が高いと考えられています。ロシアの当局は、プリゴジン氏を含む10人が乗っていた専用機が墜落し、全員が死亡したことを確認しました。

「航空機に装着された爆弾で墜落した可能性を提起する議員も」

ロシアの航空当局は、航空機墜落の原因については明言していませんが、一部の議員は航空機に装着された爆弾が原因で墜落した可能性があると主張しています。この見解は、米国紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」などによって報じられました。一方、ロシア政府は現時点では「捜査中」とのみコメントしています。

興味深いことに、プリゴジン氏を失ったワグネル側の反応も注目されています。ワグネルに近いテレグラムチャンネルの「グレーゾーン」は、ロシアの防空網がプリゴジン氏の専用機を撃墜したと主張しています。このチャンネルに投稿された動画では、ミサイルに似た軌跡を示す物体と、翼を失って空から墜落する航空機が確認されます。これらの動画を根拠に、「グレーゾーン」はプリゴジン氏が「ロシアに対する反逆者の行動の結果である」と非難しています。

もう一つの興味深い点は、プリゴジン氏の死亡時期です。彼は、彼と密接な関係を持っていたロシア軍の実力者であるセルゲイ・スロビキン宇宙航空軍司令官が解任された直後に死亡しました。

ロシア国営の通信社である「RIAノーボスチ」によれば、ウクライナ戦争を担当していたスロビキン氏は解任されたと報じられています。スロビキン氏は新たな職に任命され、現在は短い休暇を取っているとのことです。新たな宇宙航空軍司令官にはビクトル・アフザロフ将軍が着任する予定です。

プリゴジン氏、死亡の2日前までは元気だったが…

プーチン大統領は、プリゴジン氏の武装反乱後、全国に中継された演説で激しい言葉を使い、報復を示唆しました。しかし、ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲裁により、プリゴジン氏とワグネルはベラルーシに移動し、事態は一時的に収束しました。この選択は、米国との戦争を行う中で「敵前分裂」を防ぐためのやむを得ないものとして、解釈されました。

しかし、プーチン大統領の「怒り」が完全に収まったのかははっきりしていませんでした。プリゴジン氏は、ロシアとベラルーシを行き来する様子を公開し、プーチン大統領のいる会議に直接参加することもありました。さらに、彼は死亡の2日前に撮影したアフリカでの動画を公開し、元気をアピールしていました。

しかし、一部では彼は「刑場に向かう死刑囚」に過ぎないと見なされていました。米国中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ局長は先月、「プーチンは報復の使徒だ」と述べ、「私がプリゴジン氏なら、試食役を解雇しないだろう」と警告しました。つまり、彼は毒殺される可能性があるという意味です。

プリゴジン氏の爆死とスロビキン氏の解任がロシアの体制やウクライナ戦争にどのような影響を与えるのかはまだわかりませんが、プーチン大統領はセルゲイ・ショイグ国防相とワレリー・ゲラシモフ参謀総長を信頼し、彼らが指導してきた戦争の方針を維持すると考えられています。

ただし、実力と人望を持つスロビキン氏の解任は、戦争を遂行中のロシア軍にとって大きな損失となることは疑いありません。スロビキン氏のおかげで、ロシア軍は昨年、ウクライナの反攻勢を阻止し、東部と南部の防衛線を再構築し、戦力を整えることができました。

現時点では、プーチン大統領はショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長を中心とするロシア軍の体制を維持しつつ、戦争を進めていくことが予想されます。しかし、今後の動向はまだ不確定な要素もあります。