中国が日本の水産物輸入を全面停止したことに対して、多くの人々が疑問や怒りの声を上げています。これは東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に反対した結果ですが、国際原子力機関(IAEA)は日本の放出計画を「国際的な安全基準に合致する」と評価しています。それにも関わらず、中国の原発施設も大量の放射性物質トリチウムを放出しているのです。科学的な根拠もない理不尽な「反日カード」に対抗するために、日本も対抗措置を取るべきではないでしょうか。
処理水の海洋放出に関する各国の立場
「外交ルートで中国に即時撤廃を求める申し入れを行いました。海洋放出の影響については、科学的な根拠に基づいて専門家同士が議論を行い、中国政府に強く働きかけていきます」と、岸田文雄首相は述べました。彼は冷静な態度を取っていましたが、もっと怒りを表すべきではないでしょうか。
中国は水産物だけでなく、日本から輸入される食品や農産物の放射性物質汚染のリスクに注目し、監視を強化しています。中国に便乗する一部のメディアもありますが、科学的な根拠に基づく情報が風評被害を乗り越えることが重要です。
日本の第1原発が放出するトリチウムの濃度は国の基準の40分の1、世界保健機関(WHO)の基準の7分の1にまで希釈されています。今年度の総放出量は年間22兆ベクレル未満であり、中国の秦山第3原発の約143兆ベクレル(2020年)や韓国の月城原発の約71兆ベクレル(2021年)と比べて非常に少ないのです。
では、中国にはどのように対応すべきでしょうか。
評論家の石平氏は「中国産農産物の輸入を禁止すべきです。これは日本国民の『命』を守る絶好の機会です。中国の農地や水は農薬の過剰使用で深刻な汚染が起きています。中国国内で買った野菜でさえ、少なくとも数時間は水に漬けるというのが常識です。そんな農産物を輸入すること自体が大きな問題です。禁輸措置は物価の上昇を招くという指摘もありますが、台湾や東南アジアなど、日本に友好的な輸入先は他にもあります。中国の嫌がらせを逆手に取り、食の安全を確保できるチャンスです」と語っています。
一方、中国側としては、日本国内を「処理水放出反対」で混乱させ、自由主義国家連携を分断する意図もあるかもしれません。
福井県立大学の島田洋一名誉教授は「日本は今年、G7(先進7カ国)の議長国であり、中国の暴挙を国際社会で非難し、具体的な対応を呼びかける責任があります」と述べ、さらに続けました。
「中国側が『痛み』を感じない限り、問題は解決しません。半導体を始めとするハイテク分野などの対中輸出制限など、相応の禁輸措置が必要です。さらに、各国と連携して中国に対抗措置を取ることが不可欠です。中国の意図には、台湾問題を含む自由主義諸国とのパワーバランスがあるのです。日本の対応によって、安全保障への『決意』も評価されるでしょう」。
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