猛暑によるタイヤトラブル急増、JAFが対策を提案

トラブルの増加と猛暑の関連

タイヤ関連のJAFロードサービス件数の推移

この夏の猛暑の中で、タイヤの破裂やパンクなどのトラブルが増加しています。データによれば、車の4台に1台がトラブルの原因を抱えているとされており、厳しい暑さがトラブルを誘発する可能性が指摘されています。では、どのような対策を取ればこれらのトラブルを防ぐことができるのでしょうか。

JAF(日本自動車連盟)の出動に同行した報告によると、7月のロードサービス件数は全国で4万1789件に上りました。これは前年同月比で2091件増加した数値です。

この増加の一因としては、新型コロナウイルス感染症の影響も考えられます。感染症警戒レベルが5段階に移行し、人々の移動が増加したことが関連しているとされています。ただし、2019年7月(3万7436件)と比較してもロードサービス件数は増加しており、過去5年間で最も高い水準となっています。

タイヤトラブルの主な原因

タイヤトラブルの主な原因は、空気圧の不足です。

低い空気圧で高速走行をすると、タイヤがたわんで波状に変形する「スタンディングウエーブ現象」が発生します。この状態で走行を続けると、タイヤが発熱し破裂の危険性が高まるため、特に注意が必要です。

日本自動車タイヤ協会の調査によると、4台に1台の車の空気圧が適正な値を下回っていることがわかりました。また、JAFによれば、この夏の連日の暑さもトラブル増加の一因と考えられています。タイヤの破裂は路面とタイヤの温度上昇によって引き起こされるため、猛暑が続くと路面温度が上昇し、破裂の危険性も高まるのです。

JAFが提案する対策

定期的な日常点検の重要性

JAF福岡支部の進藤章さんは、タイヤの日常点検の重要性を強調しています。目安としては、月に1回の点検が理想的です。例えば、運転中にタイヤトラブルが発生した男性は、タイヤの空気圧を最後に点検したのが半年以上前でした。タイヤが破裂したのは5年程度使っていたタイヤでした。予算の都合やガソリン代の値上がりなどでガソリンをセルフ式のスタンドで給油することが多く、タイヤの空気圧を自分でチェックしたことはなかったのだそうです。

進藤さんは、「セルフ式のガソリンスタンドが増え、点検の機会が減っているかもしれませんが、空気圧のチェックは必要です。」と話しています。適正な空気圧は通常、運転席側のドア付近や給油口などに貼ってあるシールに記載されています。また、タイヤの溝に亀裂がないかなど、目視での点検も有効です。

バッテリーの点検も重要

タイヤ以外でも、この時期にはバッテリートラブルが多く発生します。この理由は、暑さによってエアコンの使用頻度が増えることにあります。

7月のJAFへのバッテリートラブルに関する救援依頼数は、全国で6万4471件となり、前年同月比で3538件増加し、過去5年間で最大となりました。進藤さんは、「バッテリーの平均寿命は約3年です。バッテリー液が透明であるほど良好な状態ですので、定期的な点検をお勧めします。」とアドバイスしています。

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