山口組分裂から8年、勢力差が際立つ 神戸山口組は千人未満、有力団体が相次いで離脱 暴力団対策強化が背景に

分裂から8年、勢力格差が明白に

今年6月末、神戸市北区でガソリンのような液体がまかれた神戸山口組の井上邦雄組長宅周辺を捜査員が調査した。

神戸市灘区に拠点を置く、日本最大の暴力団である山口組から分裂した「神戸山口組」(兵庫県稲美町)は、創設からまる8年が経過した。山口組の構成員数は警察庁の全国統計によれば、2022年時点で8100人となり、2015年から約40%減少している。一方、中核団体の離脱が相次いだ神戸山口組は約90%減少し、1000人を下回り、勢力差が顕著になっている。

3組織の構成員の比率

抗争を早く終結させたかった

今年2月、神戸地裁で、神戸山口組と抗争中の山口組系組員が証言した。彼は神戸山口組の井上組長宅に発砲し、建造物損壊などの罪に問われていた。彼は何らかの指示を受けたわけではないとしながらも、「井上組長が引退すれば、自然と抗争は終わると思った」と述べた。

井上組長宅では6月末には別の山口組系組員がガソリンのような液体をまき、放火予備罪で起訴された。発砲した男性の証言には不明な点が残るが、捜査関係者は「幕引きを図るために山口組が攻撃姿勢を強めている可能性がある」と推測している。

警察庁の統計データによると

警察庁の年次統計によれば、山口組と神戸山口組の構成員数は分裂が発生した2015年時点で、山口組が14,100人、神戸山口組が6,100人であった。その後、両組織ともに減少傾向が続き、神戸山口組から離脱した「絆会」(大阪市中央区)の構成員数も、2018年の770人から減少し続けている。

2021年時点で、山口組は前年比300人増の8,500人となったが、神戸山口組は60%減少し、1,000人を切っている。神戸山口組から山口組に合流した中核団体の「山健組」や独立した「池田組」の影響が大きいとされており、今年に入っても淡路市の有力団体である「侠友会」が解散を申し出るなど、神戸山口組の衰退が顕著になっている。

取り締まり強化による背景

兵庫県警の幹部は「暴力団対策法の規制などにより、取り締まりが強化されることで、構成員の資金調達が困難になっている」と分析している。住民や行政との連携による排除活動も活発化しており、尼崎市では分裂時に存在していた8か所の暴力団関連施設が昨年9月にゼロになった。

一方で、山口組と神戸山口組の抗争とされる事件は2021年7月末時点で147件に上る(警察庁調べ)。昨年8月以降も7件発生しており、兵庫県警は依然として警戒態勢を維持している。

【山口組の分裂について】
2015年8月、山口組の体制や高額な上納金(会費)への反発から、一部の直系団体が離脱し、「神戸山口組」が結成された。両組織は衝突する事件が相次ぎ、2020年には「特定抗争指定暴力団」に指定されることとなった。神戸山口組からは2017年に「絆会(旧・任侠山口組)」が離脱し、2018年には指定暴力団に指定された。池田組に関しては昨年末に山口組との間で特定抗争指定暴力団に指定された。

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