エッフェル塔を背景にした写真が批判を浴び、国会議員の海外視察に対する注目度が高まる

エッフェル塔を背景にした写真

与野党の国会議員が行う海外視察に対して、厳しい視線が注がれています。新型コロナウイルス感染症の流行により一時中断されていましたが、今年の夏に再開されました。最近では、海外研修中に観光旅行を思わせる写真が自民党の参議院議員によってSNSに投稿され、批判を浴びたばかりです。有識者たちは、海外視察の成果を積極的に発信する必要があると指摘しています。

知見を高めるための視察

海外視察は、衆議院と参議院が議員を派遣する代表的なケースです。これにより、各国の政策に関する知見を高め、国会審議の質を向上させることを目指しています。国会が閉会している7〜8月には、衆議院憲法審査会や参議院議院運営委員会のメンバーが調査や視察に出かけています。

衆院憲法審査会のメンバーがフランスを訪問
衆院憲法審査会のメンバーはフランスなどを訪問した(写真は3月の審査会)

衆議院国土交通委員会は7月にエジプトやインドなどを訪れました。国交委員長の木原稔氏(自民党)は、観光やインフラ(社会資本)整備に関する現場を視察し、”他国に足を運んで先行する課題や事例を学び、日本の政策に生かすことは大きな意義がある”と述べています。

今年度の議員海外派遣には、衆議院で約3億7,000万円、参議院で約1億6,000万円の予算が計上されています。

海外視察の必要性に関する疑問

議員の海外視察には、コロナ禍以前から「税金の無駄遣いではないか」「コストに見合う成果があるのか」といった厳しい意見が寄せられてきました。デジタル化が進む中で、「現地に行かなくても得られる情報が多くなっている」との声もあります。

自民党の参議院議員、松川るい氏はフランス研修中にエッフェル塔の前でポーズをとった写真を撮影し、SNSに投稿しました。この行為は「観光旅行のようだ」と批判を受け、党の女性局長の地位を事実上解任されました。研修中にはフランス側との意見交換も行われ、費用は党費と自己負担で賄われたとされています。

「透明性を持たせるべき」との主張

日本維新の会共同代表である吉村洋文氏(大阪府知事)は、「国会議員の海外視察が本当に必要なのか、どのような行程で何をしているのかが見えにくい。透明性を持たせるべきだ」と記者団に語りました。行程表、費用の領収書、報告書を公開するべきだとの主張も述べました。

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