海洋放出により中国が水産物輸入を全面停止
日本政府が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を開始したことにより、中国は日本の水産物の輸入を24日から完全に停止しました。しかし、香港の新聞サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、この措置は専門家の見方によれば「裏目に出る可能性がある」とされています。
日本産水産物を排除するための中国政府の措置
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴い、中国政府は日本の水産物の輸入を24日から完全に停止しました。さらに、中国の国家市場監督管理総局は25日、食品業界の経営者に対し、日本の水産物の加工、調理、販売を禁止すると発表しました。中国政府は「食の安全を確保するため」と主張し、日本産水産物を完全に排除する措置を取りました。
措置が日中貿易関係に悪影響を及ぼす可能性
措置が日中両国の相互依存関係の低下に拍車をかけ、悪化している貿易関係に更なる影響を及ぼす可能性があると、香港の新聞サウスチャイナ・モーニング・ポストは報じています。
日中貿易関係の変化についての専門家の見解
シンガポール国立大学政治学のチョン・ジア・イアン准教授は、サウスチャイナ・モーニング・ポストに対して、「（日中の）貿易関係、特に商品の貿易は依然として重要ですが、中国が国内生産と消費に重点を置いているのに対し、日本は商業的およびリスク管理の観点から中国との関係を縮小させつつあると見ています。」と述べました。「中国も日本も、時間の経過とともにお互いにとって重要ではなくなるかもしれません。」と彼は推測しています。彼はまた、中国政府が本気で制裁を科すつもりなら、日本からの工作機械、集積回路、自動車などの輸入を制限することで、より真剣なメッセージを送ることができると指摘していますが、同時に、それにより日本が大きな打撃を受ける一方で、中国の経済と消費者がより大きな犠牲を払う可能性もあると分析しています。
輸出先としての中国の重要性が低下する可能性
中国は日本の水産物の最大の輸出先でありながら、中国はほとんどの水産物をエクアドルから調達しており、その後はロシア、ベトナム、インドと続いています。中国の税関統計によると、昨年の日中貿易総額は3.7％減の3574億ドル（約52兆3234億円）であり、今年の1月から7月までの7か月間は前年同期比12％減の1833億ドル（約26兆8635億円）となっています。
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