南山「慰安婦記憶の場」撤去決定に「歴史性無視」と反発=韓国

ソウル市は、南山にある「記憶の場」の造形物を撤去することを決定しました。この決定によって波紋が広がっており、韓国国内で非難の声が上がっています。一体、なぜ撤去する必要があるのでしょうか?

イム・オクサン氏の関与が撤去の理由に

ソウル市は、最近強制わいせつで有罪になった美術作家のイム・オクサン氏が「記憶の場」の造形物の設置に関与しているとして、撤去作業を始めることを決定しました。しかし、「記憶の場」にある造形物は、イム氏個人の作品ではなく、国民2万人以上の募金によって作られた「集団創作物」です。そのため、性急な撤去は適切でないという反発が起きています。

市民の意見を重視し再考を求める声も

「記憶の場」造成募金に参加した市民100人は、ソウル市に対し、性急な撤去決定を再考するよう求める立場を表明しました。ソウル市は、イム氏の作品が設置・管理されている市立施設から撤去すると表明しています。しかし、作品はすでに市庁西小門庁舎前やハヌル公園などにも設置されており、一部の作品はすでに撤去されています。ソウル市は今月中に残りの作品を撤去する予定です。

南山の「記憶の場」には多くの人々の思いが込められている

南山の「記憶の場」は、ソウル市が2016年に日本軍「慰安婦」を追悼するために作られた場所です。女性運動団体や市民社会が参加し、市民からの募金も行われました。撤去される予定の作品には、フェミニズム作家のユン・ソンナム氏の絵や「慰安婦証言録」からの抜粋が彫られています。

ソウル市と推進委員会の対立

ソウル市と「記憶の場」設立推進委員会の対立も浮上しています。ソウル市は、関係者の意見を十分に聴取した上で撤去手続きを進めると表明していますが、推進委員会のチェ・ヨンヒ委員長は、協議なしに急いで撤去手続きが進められたと批判しています。推進委員会は、工作物の撤去を禁止する仮処分の申し立てを行いましたが、裁判所は却下しました。

ソウル市は、公平性を保つためにも撤去が避けられないとの立場をとっています。ただし、該当の空間は日本軍「慰安婦」を追悼する場として残り、内部を再造成することを検討しています。

「記憶の場」は多くの人々の意見と思いが詰まった場所です。イム・オクサン氏の過ちと歴史の保護は別々に考えるべきであり、撤去する場合は市民の同意を得るべきです。ソウル市は関係者の意見を重視し、公平な対応をする必要があります。

この記事は、日本ニュース24時間から引用しました。